株も為替も一旦下落基調から買戻しが進む状況となっています。国内でいいますと年度末の需給があり株式市場は大きく自律反発する形になっていますし、為替もかなり相場がショートになっておりこれ以上一気には下がらない状態で買戻しが進んでいます。
海外に目をやりますと今週イースター休暇を控えており、こちらも一旦ポジションを巻き戻している状況のようで今週は新たな材料がない限りどんどん下値を試す形にはならないのかもしれません。
6月105円を意識した本邦輸出勢の売りが出始めている
ドル円を見ますと、6月105円の革絵予約になるように取引コストを勘案して105円台後半からかなり本邦輸出企業の売りが並びはじめているようで巻き戻しが厳しくなっても簡単には106円台にまで戻らない状態がずっと続いています。
円転のレパトリのほうは通常の企業はほとんどこのタイミングでは終了しているようですかよほど特別な事情がないかぎりは出てこないのかもしれませんが、月末にかけて特別な玉が飛んでくる可能性もまだありそうです。
ショートのロスカットで高止まりは当分続く可能性も
ドル円に関していえばここまで急落していますからほとんどの市場参加者が戻りは売りで相場に入っており、下がらなくなって一旦ショートカバーからじり高が続いているとみるのが正確な相場状況であると思われます。
こうしたじり高ではポジションがほぼスクエアでどちらかにバイアスがかかった状態がほぼ解消されることになるとよく起きるもののですが、おそらくここ数日はこのようなどちらにも向かわないでふわふわした状態が続くのではないかと思われます。
米10年債金利のほうは一旦下落した状態が依然として続いていますから、米国の株価のほうも一気に下落するには至っておらず、相変わらず市場は債券金利を見ながらの取引が続いているようです。
外国人の投機筋はここ1週間程度のNYダウ、ナスダックの下落局目でかなり株を売り抜けたようでそれなりの利益を獲得している模様で一旦小康状態に入っているのかもしれませんが、地合いとしては決定的に変わっているわけではなく、やがてまた下落の局面がめぐってきそうな気配です。
本邦の機関投資家もインターバンクも積極的な取引は手控える時期に差し掛かっているので今週については今の状態が継続していよいよ新年度に突入数rことになるのかもしれませんが、気を緩めずにつねに米債の利回りの変化はチェックしていくことが大切になりそうです。
森友問題は外人のもっとも嫌がるパターンに展開中
国内でも消化不良気味の森友の証人喚問ですが、ヤクザの世界なら出入りの下手人として最初からきまった人物が警察に出頭してお勤めをするような姿を彷彿とさせる佐川何某の発言で、簡単には全貌がわかる世界ではなくなりつつあることが窺われます。
国内的には一旦これでけじめがついたなどというわけのわからない判断が飛び出してくるのかも知れませんが、日本株に投資しようとする海外勢にとってはほとんど納得のいくような状況には至っておらず、新年度明けにこれまでどおり日本株への投資が戻ってくるのかどうかはかなり怪しい状況になりつつあります。
とくに海外メディアが指摘しているのは国粋主義者を養成するような実に不思議ななナショナリストの小学校に現役の総理大臣の妻がかかわっているという不可解さで、そこに安値で土地の提供が絡んでいるという部分は国内の有権者が感じている以上に不可解さをもって見られている点には相当な注意が必要なようです。
つまり海外勢は現状の安倍内閣の対応で納得のいく状態には至っていない可能性があり、顕著な反応としては日本株への投資を手控えるという行動にでるリスクも依然のこされている点だけは認識しておくべきでしょう。
こうなるとドル円も当然買いの要素は薄れることになりますから上昇も期待できなくなります。週明け以降センチメントが変化するのかどうかにも注目が集まります。
(この記事を書いた人:角野 實)