週明けのNY株式市場はそのまま大きく下落するのではないかと心配されましたがなんとか反発しNYダウは669.40ドルの大幅高で24202ドルで引けてひとまず追加下落を免れました。
現状では2月の下落の底値である23360ドルを下回っていないわけですが、これを下抜けることになった場合には日経平均ももう一段安値をトライすることが予想されるため、ドル円もさらに下値を試すリスクが依然として残る形となります。
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市場は米中の水面下の交渉に期待
米国株が買い戻されている一つの背景としては米中が水面下で通商問題の解決のために交渉を続けているという報道が大きな支えとなっているようで、表面上は厳しい衝突になっていても実は落としどころを探っているのではないかとの期待が非常に高まっていることがその背景にあるようです。
しかし確かにトランプはとてつもない要求を持ち出して結局落としどころを探るのがひとつのやり方になっているようですからこうした可能性はあるものの、足元ではかなりの強硬派を閣僚にそろえているだけにそんなに簡単に決着がつくかどうかはまだよくわからない状況で、市場がトランプを甘く見過ぎている可能性も十分に残っているのが事情です。
したがってさらになんらかの応酬が表面化した場合にはいきなりドル円も再下落となるリスクをまだ抱えている状況です。
ドル円も戻ったといってもまだ105円中盤
ドル円も105円台中盤に戻るとかなり値を戻したような錯覚にとらわれますが、ここから上は相当値が重く今週についてはまだ下値を模索するタイミングに直面しそうな状況です。
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すでに本邦輸出企業の年度末に向けてのレパトリはかなり終了している状況にあるようですが、最後に調整的な円転がLondon Fixなどにいきなり登場してくることが考えられますし、金曜日はイースターの休暇で欧米は広範にお休みとなりますのでここ2~3日に前倒しで円転玉が飛び出してくることにも注意が必要になりそうです。
それにしても一回でもっと大きく調整が進めば戻しも買いやすくなるのですが、株の変化に比べてドル円の変動は1週間を通じて高々2円程度であることから、このまますんなり戻りを試すよりは依然として下値を試しに行くリスクのほうが断然高く、当面戻り売りを中心とした売買をせざるを得ない状況となっています。
ここ数日にわかれた期日で105円ジャストにはかなり大きなオプションが設定されていることから105円台に引きよされらる可能性がありますし、105.500円にもNYカットのオプションがあることからここからあまり動かずに上下で推移することも考えられます。
また輸出企業が果たして今の状況をどう考えているかも今後の相場状況に影響を与えそうです、現状では105円から上をどんどんドル円が上がらないと見ればなんとか105円で為替予約になるように作るためにはここから上のレベルで相応の売りを仕掛けておく必要があるわけですから、本邦の輸出勢のおかげでドル円の頭が重くなることは十分に考えられます。
またドル円ロングを損切した海外の投機筋が米国に対する日本政府の弱含みを期待してあえてドル円を売りにくるリスクもかなり高まりつつあるといえます。
今週は少なくとも本邦の機関投資家も手出しができない時間帯に入りますので真空地帯でいきなりドル円が売り込まれて104円を割り込むシナリオも考えておく必要がありそうです。
ただ、投機筋のドル円ロングが相当部分はけたことで逆にドル円ショートが溜まる事態になれば大きなショートカバーがでる可能性もたかまりますので、ここ一週間あまりはプライスアクションを細かく見ながらポジションの偏りにも注意して売買していくことが必要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)