読み込み中...市場が待ちにまった3月のFOMCの政策発表が行われました。金利は市場の織り込み通り0.25％の引きあげとなりましたが、スタッフのドットチャート予想では年あと2回、全4回の利上を予想ということになり年4回とはならなかったことから一旦は株価も持ち直す動きを見せましたが、結果的にはNYダウもマイナスで引ける展開となっています。
気になるのは問題を起こしているフェイスブックが値を戻した以外には市場をけん引してきたほかのビッグ5銘柄が総じて下落していることで、一旦三角持ち合いを下抜けたNYダウが再度二番底を模索して下落するリスクが残ったことは気になるところです。
パウエル議長の発言もかなり慎重で迂闊に言質をとられないような口のきき方をしていることから相場の反応もいまいちでFOMC後も各資本市場それぞれの反応がでている状況です。
為替はドル安で円安
為替はといいますと、ドル円はFOMCの結果発表後一旦106.620円レベルまでじり高となりましたが、どうやらここから上には相当な売りが並んでいるようでそれ以上の上昇はなく、逆に下がり始めて106円を割れたところにストップロスがあったようで105円台に沈みこむ動きとなりました。
ただ、105円台ではそれなりの買いも入ってきており結局下落が仮想することはありませんでしたが、ドル安で円安という状況がドル円の方向感をかなり不鮮明にしつつあるようです。ここへきて多少正相関の気配をみせている米国10年債利回りは一旦FOMCの結果発表を受けて2.93％まで上昇しましたが、3％を乗り越えていくほどの勢いはなく逆に2.8％台に下落したこともドル円の上値を重くしているようにみえます。
21日は日本が春分の日でお休みであったことから輸出勢がリーブオーダーをおいてお休みに入った可能性もありますが、どうやら106円台後半から107円にかけては想像以上に売り玉が並んでいるようで、簡単にこれを上抜けしてドル円が上昇するのはかなり至難の業であることがあらためて確認された次第です。
したがってまだまだドル円は戻り売り主体で売買をしていくことが重要になりそうでシーズナルサイクルから言えば3月は陽線引けに終わることが多いのに、今年はどうなるかわからなくなりつつあります。
気になるのはNYダウの動き
一方気になるのはNYダウの動きでFOMCの結果発表後前日比でプラスになったりマイナスになったりかなり迷いのある動きをしたNYダウは結局前日比マイナス44.96ドルで引けており、個別株ではフェイスブックが値を回復した以外は相場をけん引してきたNASDAQのビッグ5銘柄が挙って下落に転じている所が非常に気になります。
すでに19日に三角持ち合いを下抜けしてしまったNYダウはFOMC結果をみるまで小康状態であったわけですが、ここから2番底を探しに行く動きになりますとドル円もそれについていく可能性がきわめて高くなりそうです。
FOMCを通過したことで一旦材料は出尽くしの状況になりますが、その割には大きくトレンドが変化した印象もなく、相場の具体的な反応をもう少し見てからエントリーの方向を探りたいところです。
結果的にみればドル円はFOMCまでは買いあがりましたが、結果をうけてSell on the factという流れになってしまい、ここから下落が加速するのかどうかも注目されます。
散々注目されてきたFOMCですが、すべての相場は大きく動く形にはなっておらず、これからこの結果をどう咀嚼して相場が動いていくのかが注目されます。
パウエル新議長は最初のFOMCを結構無難にこなした印象がありますが、トランプ大統領からは中間選挙にらみでどんどん金利を上げないように釘を刺されている可能性も高く、これによりリスク先送りとなった場合には将来的に大きな暴落の危険がさらに高まることになりそうで、ここからの金融政策にも注目が集まりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
