昨年からかれこれ1年以上問題になっていた森友の土地売却はいよいよ次々と知られざる材料が飛び出し始めており、当時の理財局長に罪をかぶせれば済む問題ではなくなりつつあります。
非常に個人的な印象としては、もうどう取り繕っても元には戻らない可能性が高まっているように感じられ、早晩内閣終了、総理辞任ということで幕引きにならざるを得なくなってきているのではないでしょうか?
これまでも相当妙なことは沢山起きてきましたがいよいよ挽回の余地のないところまでさしかかってきている雰囲気で、投資家としては次に起こることをしっかり想定しておくべき時間帯に突入しつつあると思われます。
個人的には長年企業のブランディングやIRといった業務に携わってきた経験ありますが、企業や人、政党、政権のイメージというのはコントロールしようとしてコントロールできるようなものではなく、あくまで個人、消費者、有権者が勝手にイメージすることで醸成されていくものですから、ここまでケチがついてしまうともう元には戻らないところまで来てしまっている感じが非常につよく漂っていると思われます。
しかも役人サイドが既に氾濫を起こしかけているようにも見受けられ、日替わりで悪い情報が蓄積されることになれば政権を続けられなくなるのまでは時間の問題というところまで潮目が変わってきていることを感じさせられます。
このままでは消費増税もままならないでしょうし、安倍首相が経済政策よりも熱望してきた憲法改正は完全に遠のいた感があり、政権を維持するモチベーションも急激に低下することが考えられます。
米株の下落とどちらが先か?
週明け以降いよいよ国会で証人喚問も開かれるおとになりそうですが、藪蛇状態になるのはもはや間違いなさそうであり、これが結果的に致命傷になるリスクはかなり高くなってきています。
4月初旬には安倍総理も渡米しトランプとの会談が予定されていますが、この調子でいった場合そんなに先まで持ちこたえられるのかどうかすら危うい感じで、このコラムでも既にふれているように米国株が三角持ち合いから下抜けるような状況に陥れば相場がかなり下落することになるわけですが、それを待たずに安倍政権終了ネタで先に日本株主導で相場が下落してしまいそうな嫌な雰囲気がかんじられるようになってきています。
最近は相場の下落にはサーキットブレーカーも発動されますから、一気に暴落というのはなくなりつつあるのかもしれませんが、連日下落が進めばあっという間に日経平均でも2000円やそこいらは容易に下げる可能性があり、個人投資家としてもそれなりに用意をしておくべき時期が近づいているように思われます。
いずれのネタも相互の相関性はなく並行してさく裂しそうな状況ですから、矢継ぎ早に連発となった場合には相当な下押し要因になることも覚悟しておく必要がありそうです。
ドル円は当然日本株下落についていく
為替のほうは全体としてドル安が進みそうですが、それとは別にドル円が強く外人勢に売られるリスクが高まることから、日本株の相応の下落はドル円にもかなり重くのしかかってくることが想定され、このネタだけでも軽く100円割れに直面するリスクがありそうです。
さらに米国の株式市場が本格的な下落局面に突入した場合、より強いドル売り円買いプレッシャーがかかることから、とにかくここ1週間から月末までは戻り売り主体だけで、ドル円のロングは徹底して控えるべき時間帯に突入していると思われます。
政局はいつどうなるかわからないだけに想像以上に持久戦になることも考えられますが安倍総理は第一次内閣の際も驚くほどあっけなく辞任をしており、今回も意外にあっさり泣きながら去っていく可能性が考えられそうです。相場は思わぬ展開へと突き進もうとしているようです。
(この記事を書いた人:今市太郎)