足元の相場は為替に限らず株も多くの市場でトレンドが殆どない状態で、上下動を繰り返しているだけですからよほど短い時間足で逆張りを繰り返すような手法でないと、この時期には利益にはありつけなさそうなかなり厳しい雰囲気が漂っています。
日替わりで上げたり下げたりする相場というのはだいたい買っても売っても相場のうごきに引っかかって四六時中損切の憂き目にあうことが多いですから、本来は様子見をしているほうが間違いがないのかもしれませんが、毎日トレードをしていますとなんとか利益機会を得られないか模索してしまうのもまた事実であろうと思います。
ドル円に関して言えば明らかに三角持ち合いの状況になってきていますから、ここ1週間ぐらい、つまりお彼岸のお休みの先ぐらいまでは今の状況が続きそうですが、収斂した相場が上放れするのか下離れするのかが大きな問題です。
仮想通貨相場から見えてくるセンチメント
ここのところジェフリーガンドラックも相場のセンチメントの先行きを占ううえでチェックを欠かさないとしている仮想通貨の動きですが、どうもかなりパッとしなくなってきているようです。
Data みんかぶ
もともとビットコイン以外は実需というものが存在しませんから市場参加者がすべて投機主体でチャートの動き以外何を材料にして売り買いしているのかほとんど説明がつかない仮想通貨ですが、足元では取引業がしぼみ、ごく一部の通貨を除けばほとんど同じ形のチャートで相関性をもって下落に転じていることがよくわかります。
上のチャートはここ1週間のものですが、取引量の減少はここのところの東証の取引量の減少にもつながるものがあり、市場参加者が投資を手控え始めていることが見えてきます。
個別の通貨のコメントはできませんが、市場の過剰流動性があるからこそ必要以上に大きな上昇を遂げてきたはずの仮想通貨の取引量がいきなりシュリンクし、かつ価格も軒並み下落しているのは、この先の相場状況を示唆している可能性が高そうで、結構注意が必要になってきているように思われます。
バブルは最後が一番相場も走るのだが
このコラムでも何度もお伝えしているようにバブル相場の崩壊前というのは必要以上に相場が走り、怖いもの知らずの素人がもっとも利益を得やすくなるものです。
したがって強気に相場に臨んで利益を得てしまう素人はちょっと相場が下げると押し目とばかり買い向かってだいたいほとんどの利益をそこで失ってあえなく市場から退場というのがお決まりのケースなのですが、ビットコインを見ていますと取引ボリュームも減少し、価格も何が理由という明確なものもないままにずり下がりで既に終焉に向けた動きにも見えてくるのがなんとも悲しい状況です。
米国の株式市場も足元では非常に取引額が減少しており、限られた市場参加者だけで売買が行われているなかでNASDAQも高値を更新するという特別な動きをみせています。
先行きが見えないから皆手控えているだけと言われればそれまでではありますが、ちょっと相場の雰囲気が変わってきているということだけは注目しておきたいところです。
米債金利の変化など中央銀行バブルの終焉を示す指標はいくつか明確になりつつありますが、ここ1年あまりで相当上昇してしぼみつつあるビットコインをはじめとした仮想通貨の必要以上の上げ下げはこの相場の終焉をもっとも映し出す鏡となる可能性は極めて高く、ここからの動きをさらに注目していきたいと思います。
足元では米債の金利の上昇が一服したことから株価の大幅下落のリスクも軽減されており、どの商品相場も調整局面に入っている状況ですが、その割には1日で上げたり下げたりするボリュームが売買量を伴わずに非常に大きくなってきており、これもバブル崩壊に至るひとつの兆候に見えてきます。
引き続き相場の下落にはジュ油分に注意しながら売買を進めていくべき時間帯なのではないでしょうか。
(この記事を書いた人:今市太郎)