週明けから為替相場はトランプのツイッター発言や日本の森友関連の公文書改ざん問題などがつぎつぎとメディアのタイムラインを巡り、朝の仲値までは調子よく上昇していましたが、その後は下値を模索する展開になり、ぱっとしない状況に陥りつつあります。
森友ネタのドル円下落はまだこれから?
昨日の東京タイムでは森友ネタで文書の改ざん報道が出てから財務大臣が記者会見するまでは辞任もありということで異常にドル円が売り込まれる状況がありましたが、辞任回避でアルゴリズムが買い戻したのか大きく相庭は戻る印象がありました。
一部の報道機関はすでに森友問題は過去のものといった見方の報道をしていましたが、結局NYタイム以降もドル円の上値は重く、終盤に米国10年債の利回りが下落したことから106.300円台まで下落して取引を終えています。
日経平均のほうは昨日はすごい勢いで上昇からスタートしていますが、また先物が大きく売られている状況で毎日日替わりで上げたり下げたりという激しい上下動を繰り返しており、売っても買っても市場参加者はちっとも儲からない相場が続いています。
森友問題は今後どうなるのかが非常に注目されるところですが、この件に絡む相場の下げはまだまだこれからの状況で、大きく株とドル円が下落する可能性はさらに高くなっているように見えます。
トランプのツイッター攻撃でもドル円は売られる始末
トランプ大統領はツイッターで『安倍首相と日本を開放し、米国との貿易を大幅に改善することについても協議した。対日米貿易赤字が1000億ドルあり、これは公正ではなく持続不可能だ。』とつぶやいたことからいきなりドル円も売り込まれることになり、いよいよ通商問題と為替では日本が米国の矢面にたつ可能性がきわめて高くなりつつあります。
北朝鮮問題を巡ってえらく浸しい関係のように思えた日米ですが、そんなことはトランプにはまったく関係ないご様子で対日自動車輸出でなにかごねてくることはほぼ間違いなく、そのカウンターとして一層のドル安円高を強くもとめてくる可能性も高まっています。
この場合1ドル100円どころではなくもっと下を暗に要求してくるリスクもあり、ここからは誰がどう見てもドル高円安が示現しにくい時間帯に入ってきているように思われます。チャート的には下値がかなり堅くなり、今週は107円台のどこのあたりまでドル円が上昇するかを注目していましたが、どうも相場の雰囲気はそれとは異なるものになりつつあるようです。
年度末ですからPKO軍団のサポートもあまり期待できる状況ではありませんが、下方向への下落は十分にあるということを含みながら売買してくことが必要です。
政治ネタの場合報道のタイムラインに即座にアルゴリズムが反応することからいきなり相場のうごきが反転することもおおく非常にやりにくい状況ですが、とくに東京タイムはメディアの報道が出やすくなりますので、ここからの1週間程度は相当注意する必要がありそうです。
現状では誰も簡単に辞めそうもありませが、既に麻生財務大臣は週末のG20 への出席を取りやめており、だれも責任をとらないでこの内閣が継続するわけにはいかないところまで追いやられていることがわかります。
まず麻生辞任で一旦下押しでしょうが、これで安倍総理がいきなり辞任することになると相場はかなりの勢いで下落することになりますから、ロングでポジションをもつ場合には必ずストップロスをおくことが大切です。
政治ネタというのは決してFXでは面白い材料ではありませんが、相場が動くかぎり対処しなくてはなりません。花見の季節が近づいていますが相場はかなり暗い雰囲気です。
(この記事を書いた人:今市太郎)