読み込み中...ここのところドル円は107円を挟んだ動きで、もうひとつよくわかりにくい上下動を繰り返していますが、これは107円に大量にあると言われるオプションが大きく影響を与えているようです。
オプションの設定ボリュームというのは正確にどこかが公表しているわけではありませんから、インターバンクからこぼれてくる情報を総合するしか手がない状況ですが、一説には52億ドルが来週いっぱいまで設定されており、特に6日、7日のNYカットに期日を迎えるオプションが相当あるようです。
オプションの詳細は不明
このオプションですがどうやら上下を行き来している以上ノータッチオプションのようなものではなくプレーンのコールかプットオプションのどちらかに思われます。
また権利行使の形も期日で履行できるヨーロピアンタイプというよりはすでに実行できているアメリカンタイプのように見受けられます。コールかプットかは正直見分けがつかない状況ですが、下落すると買い戻されている状況からしますと、プットオプションがかなり多いようにも感じられます。
このオプションはさらに追加で作られている可能性がありますから来週一杯ですべて影響がなくなるかどうかはわかりませんが、107円を挟んで前後30銭から40銭程度のところで107円方向に吸い寄せられる動きはオプション見合いで売ったり買ったりしている向きが相当多いことを示唆しています。
だいたいオプションの位置から1円以上離れてしまいますとほとんどその影響はなくなることが多くなりますが、今の107円を挟んだ上下動はあきらかにオプションを見合いに売り買いしている連中の売買に市場全体が翻弄されていることがわかります。
来週いっぱいこの調子が続く可能性も
こうした典型的なオプションを挟んだ上下のプレーもオプションが期日を迎えるまでずっとその場で同じ動きを繰り返すとは限りません、どちらかの方向に抜けていってしまうことも当然あり得ますので、あまり戻りだけを期待して逆張りすると投げや踏みにつながることも十分にあります。
しかし相場にあまり大きな材料がないときなどはどうしてもこの動きに翻弄されてしまう時間が長くなりそうで、ここのところ東京タイムからNYタイムに至るまでオプションの影響と思われるような動きがかなり明確に確認されています。
相場はドルが回復しても明確な円高傾向
ここのところユーロドルがかなり弱含んでいますからドルイデックス的にはドル高が続いていることになりますが、ドル円はその影響をほとんど受けていない状況です。
Data Investing com
通常ドルインデックスが90台を回復すればドル円ももう少しドル高方向に戻るはずなのですが、2月に起きた米国株式相場の二回に及ぶ1000ドル以上の暴落と債券市場価格の下落から、かなりの投資資金が米国から流出している可能性は高く、とくに米債を多く買ってきた本邦の地銀や機関投資家などが米債を投げ売りして換金しているとすれば円転の圧力がとくに年度末に向けて強まっている可能性が考えられる状況です。
3月についてもこの動きが継続するかどうかが非常に注目されますが、少なくとも機関投資家はこの時期にあらたに外債を購入するタイミングではありませんから、レパトリ需要で円買いが継続するのであればドル円は自律的に下落方向を目指す可能性もでてきそうです。
とはいえ、足元の相場は下がると思って突込み売りしてしまいますと毎日のように担がれて踏みあげられる状況で、上値も107円方向のあまり高いところを買ってしまうと常に投げを余儀なくされる結構難しい相場になってしまっています。
エントリーポイントを間違えると毎日のように損失ばかり抱えることになりますので、相当慎重に対応することが必要になりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
