読み込み中...週明けの東京タイムは日経平均がようやく2万2000円台を回復し、大幅下落も一服といった雰囲気が続いています。すでに前回の下落は調整に過ぎなかったといった能天気な相場の味方も登場しはじめています。
しかしこれで二番底がもう訪れないとはだれにも断言できず、米債金利だけが上昇を続ける中にあってまだまだ相場は上下に振幅しそうな状況です。
本日ＮＹタイムは休場、かつ中国の春節（旧正月）が続いていることから、あまり大きな動きにはならない可能性がありますが、この妙な相場の落ち着きで下落は終了したとばかり無防備にしているといきなりまた下落の局面が訪れるリスクはかなり高く、安心しすぎは禁物です。
特に次の下落は本物の大暴落になるリスクに直面しているだけに注意しすぎてもしすぎることはない状況といえます。
金曜日のショートカバーでショートはかなり切れた状況
金曜日のＮＹタイムでドル円は106.400円レベルまで上昇していますので、105円台後半にあったショートポジションはかなり切らされた状態でほとんど残ってはいないと思われます。
逆に問題なのは106円台や107円台に延々と残っているであろう本邦個人投資家のロングポジションで、こちらのほうは相場が戻ればかならずやれやれ売りがでることから上昇を大きく阻む要因になりかねず、全体的な動きとしてはまた下を目指す可能性が高そうです。
ここからは株価よりも米10年債利回りに注目
今や完全に逆相関関係にあるドル円と米国10年債利回りの推移ですが、すでに先週2.93％まで上昇している金利は今週３％台に突入することも考えられ、ここからの金利上昇は確実に米株の上昇を抑制するとともに債券の投げをともなうだけに相場の再下落が始まるリスクが高まります。
もはや金利の上昇はドル円の下落ネタにつながるものですから、つねに債券金利の推移をみながら売買していくことが重要になりそうです。
この不思議な逆相関はどこかのタイミングでまた正相関に戻る可能性が考えられますが、今のところ完全に逆の動きが継続していますので、金利上昇ならばドル円下落とみてかまわない状況です。
米国市場ではまったく懲りずに先般大きな損失を出したVIXの逆張りに返り咲いている輩も多くみられるようですが、押し目を買っている連中は値上がり局面でしっかり手放せているなら問題ありませんが、また次の下落も買い場として買いからエントリーするととんでもない下落に巻き込まれることになるため、想像以上に相場が下落方向に走る危険性があることだけは認識しておかなくてはなりません。
バブル相場の終盤というのはどうしても相場が走りやすく、素人に近い人間ほど強気に転じて大失敗をするタイミングですので、まさに今がその時である可能性は非常に強く、楽観的な相場参入はできるかぎり見送ることが賢明です。
3月のFOMCではパウエル新議長が相場の状況とお構いなく利上げを実施するのではないかという見方が囁かれ始めていますが、これが現実のものになった場合はからずも相場暴落の引き金を新議長自らひいてえらいことになるリスクは猛烈に高まることになります。
結局FRBというのは株価の絶対価格だけしか見ていないという話もよく登場しますが、高金利へのシフトは必ずなんらかのネガティブな反応を市場に齎すことになりますので、ここからの相場に自信がないと思われた方はFOMCの結果をまってから徐に相場にカムバックすることを考えるのも一つの方法といえそうです。
今年前半はほとんど暴落の心配はないと言われてきた米国の株式市場ですが、状況は大きく変化している最中です。株式関係者というのはいつでもいい事しか言わないのが業界の特徴ですから仕方ありませんが、市場の不思議な楽観的雰囲気に飲み込まれないように注意していきたいところです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
