読み込み中...個人投資家に限らず、相場に世界に身を置いて一定以上の成功を収める人は、必ず鉄板ディールなどと呼ばれる確実な利益獲得法をいくつも持っていて、その形になると必ず利益をとることができるのがある意味ひとつの共通した特徴となっています。
しかしこの成功体験からくる自信は時として市場の変化を感じることができず、大儲けのあとに同じアプローチを繰り返すことで大損につながることが多いことは、こうした暴落が起きたときにはよく自分の姿をチェックする意味でもよく思い起こしてみる必要がありそうです。
FXにおけるスキャルピングのような取引の場合にはファンダメンタルズにもあまり影響をうけませんから、鉄板のディールといったものはそれほど心配したものではありませんが、トレンド変化の見極めが重要となる株式投資などでここまで大きな利益をだしてきた人は、一旦立ち止まって様子を見る習慣をつけることが非常に重要になりそうです。
暴落を知らない人たちの楽観相場観はかなり危険
ちょうど足元で起きているような相場の思いがけない大幅下落を前にすると、市場参加者は二つの発想に分かれることになります。ひとつは超楽観主義で多少相場が戻せば完全にもとに戻ると信じて押し目を果敢に買い下がるタイプです。
こうした人たちはこれまでの相場でも押し目買いをして十分以上の成功を収めてきているに違いありません。またもう一つのタイプは異常に悲観的でもっと酷いことが起きるのではないかと心配するタイプです。
こうした慎重派の人たちはいつの世界にもいるもので、これまで相場で儲けてきたかどうかにかかわらず一定以上は常に存在するものです。
まああまりにも心配しすぎると何も投資ができなくなってしまいますから損もしないが儲かりもしないという微妙なことになってしまうケースも多いとは思いますが、ここで問題になるのは強気を維持した前者のタイプの投資家です。不思議なものでバブル相場に長く漬かっていますと、相場の変化というものにまったく気がつかなくなってしまいます。
特にこ相場で儲かった人たちは相場が反転して下落局面に入ってもまだ押し目と勘違いして果敢に買い下がったりすることからそれまでに稼いだ大きな利益を失うリスクが高くなりやすく、しかもそれを自分自身の判断でやってのけてしまうのが大きな問題となります。
これは日本のバブル崩壊時期にも同じような行動ととる人が多くみられたものですが、強気の相場に慣れ親しんでしまいますと、結局のところ変化を受け入れられないままにこれまでの成功体験を継続してしまい、下げ相場に立ち向かって損をすることは少なくないのです。
幸いにして為替市場は今大きなトレントがでているわけでもなく、しかも株式相場の暴落にも巻き込まずに済んでいますから、特段成功体験が異常に発揮できる機会もないのですが、こと株式市場に関してはまだまだ強気の楽観主義者が多く参入していますので、既に押し目は買い目線で臨んでいる可能性が高い状況です。
しかしこうした間違った楽観が市場を席捲してしまいますと、今度は二番底を探る次の動きで一斉に投げ売りを誘うことになりかねないため、相場は想像以上に下落してしまう恐れもあるのです。
とにかく大きく儲かった次の年や次の相場の変動フェーズではそれまでの売買法を無闇に継続することなく一旦お休みをとるなどして様子を見ることが重要になります。
逆にこのタイミングで売りで大成功を収めた方も同様で、とにかく大儲けにありついたら一旦手を休めることがお勧めとなります。相場の真っただ中にいると見えないことも休憩して横から、あるいは俯瞰から相場を眺めてみると必ず変化が見えてくることになります。
今足元の相場はまさにそうした状況に直面しているのではないでしょうか。
（この記事を書いた人：今市太郎）
