週明けのFX市場・東京タイムは日経平均が米国の株の下落の影響をまともに受けて500円以上の下げとなったことからドル円も110円台をキープすることができずに109円80銭台まで下押しする展開となりました。
ちょうど金曜日の雇用統計で上昇する前あたりまで戻ってくる形になっています。毎回おなじみの行って来いが今回も示現しているわけですが、果たしてここから先ロンドンタイム以降どのような動きになるのかが注目されます。
債券金利にはついていかないが株の下落には連動するドル円
現状では109円台の下値にはそれなりの買いも入るようですが、ドル円は結局のところ米債の金利上昇に連動して上値を試すのはかなり限定的ですが、株価の下落、とりわけ東京タイムにおける日経平均の下落には連動して下値を試す形となっており、これが米国の株価のさらなる下落にともなって同様に連動した動きを見せるのかどうかが大きなポイントになりそうです。
昨年ユーロは年末から年始に向けて大きく上昇してるだけに市場では、今年のドル安が進行するとすれば円高がメインなのではないかといった見方も強まっているようで、やはりドル円は円高方向に相当な注意が必要になってきているようです。
ただしショートが積み上がり過ぎると一時的に跳ねるリスクも
ドル円相場全体ではそれなりにショートも積みあがってきているようで下がらないと跳ねてはストップロスをつけるといった動きもまだまだ出てきそうですが、110.500円から上はどうやら本邦の輸出勢が4月以降を睨んで売り玉を置き始めているようで、上値もそう簡単に111円方向に抜けていく感じではなさそうです。
今後米10年債の利回りがさらに上昇し債券が売られる展開になれば、米株もまだまだ調整する局面が続きますので、ドル円も上値は重くなりそうです。今週は日経平均でSQの算出日を控えていることから水曜日あたりにまた外国人の投機的な売り仕掛けがでるリスクは十分にありそうです。
とにかく戻りがあればしっかり引き付け売りで入り、下がらなくなったらその都度リカクして利益を積み上げるという方法がワークしそうです。
今回の株と債券相場の変調は一時的なものなのか、まだまだ続くのかは見極めが必要ですが、迂闊なレベル感だけから買い向かってしまうと下抜けする可能性はかなり高くなりますので、チャートで十分にチェックしてエントリーポジションを模索する必要がありそうです。
エリオット波動の第五波は見極めが難しい
米国の株式相場は2008年のリーマンショックからずっと回復途上にあるわけですから、足元の状況はエリオット波動でいえば第五波であることは間違いなさそうな状況です。
第三波というのはかなり長く続く相場であるためっ順張りでついていっても間違いなく利益が確保できるものですが、五波は長く続くこともあれば突然終了することもあるため、いつ相場にピークがくるのかを見極めるのが非常に難しいとされています。
米国のNYダウでいえば2万6835ドルが最後に相場が走ったピークなのか、はたまた暴騰はここからまだやってくるのかの二つの見方が存在することになりますが、年末から1月にかけての上昇は暴騰といえば暴騰の類にも見えますから既に終了した可能性も十分に考えられます。
突然債券金利に神経質になり始めている相場を見ていますと、これが繋がるかどうかはわかりませんが、一旦の相場の終焉を示唆している可能性はありそうで、債券相場が神経質に反応して価格の下落が進むようですと市場全体に大きな変化がでるリスクが高まりそうです。
株式相場の下落の場合、市場参加者が挙って売りに回るだけでも大きな原因がないままに相場が暴落するリスクはつねにかかえています。今がその時に近づいているのかどうかはもう少し冷静に判断する必要がありますが、単なる短期的調整と思い込むのだけはやめておいたほうがよさそうな状況です。
(この記事を書いた人:今市太郎)