読み込み中...イエレン議長下最後のFOMCはほとんどサプライズのない現状どおりの政策継続でいよいよ2月から就任のパウエル新議長にそのかじ取りが移ることなります。
就任期間中相場の反応にかなり怯えた時期もあったイエレン議長ですが、辛くも暴落の巻き添えを食わずに退任まで持ち込んだことになります。しかし今回の政策発表を受けてまたしても米国の10年債金利は上昇をはじめており、これが３％に届くレベルになると債券市場も株式市場も明らかに様相の異なる展開が示現してもおかしくない時間帯にさしかかることになります。
すでに米10年債金利の上昇を米国の株式市場は嫌気し始めていますから、何がきっかけで大きな下落が示現することになるのかが非常に注目される状況です。
トランプの一般教書演説は原稿どおりのサプライズなし
注目されたトランプの一般教書演説は事前に公表された原稿通りの内容で、特別驚きはありませんでした。
しかしいつから定着したのかわかりませんが、冒頭部分で米国の市民の何人かが議会に招かれてエピソードを紹介されては賞賛される半ばやらせにも見えるショーの部分はよそ者からみると実に滑稽で余分な内容であり、事務的に話を進めれば20分程度で終わるものを延々と1時間20分も行うのにはいささか飽きも感じた次第です。
今年は中間選挙に向けて盤石の体制で臨みたいトランプはインフラ投資の話も持ち出しこのままの調子でいけば、足元のゴルディロックス相場もそのまま11月まで継続してしまいそうな気配ではありますが、米10年債利回りは着々と上昇を続けており、3％に手が届いたあたりから相場の景色が大きく変わることが予想されます。
もはや何も心配することはないように見える相場状況ですが、昨年があまりにも出来すぎだった米国の株式市場が今年もそのまま継続するかどうかはわからず、とにかく安心しきっていては危ない状況であるといえます。
とくに過去の米国の暴落相場はなぜか共和党政権下でほとんど起きていますから、すでにリーマンショックから10年目に入る今年、トランプ政権が暴落に巻き込まれる潜在的リスクはかなり高いといえます。
春先がいったんの警戒時期か
足元のバブル相場がどこで破綻するのかを見極めるのは極めて難しい状況といえますが、上述のように米10年債利回りが3％に接近し超えはじめた当たりは相当な注意が必要ですし、それを待たずともこの春先の米国株式相場の動きを注視する必要がありそうです。
相場の最後というのはかなり走ることが多いことから簡単には終焉しない可能性も十分に考えられますが、債券金利の上昇だけは確実に株式市場に無言の圧力をかけてくることになりますし、債券市場自体のバブルの崩壊も気になるところです。
ドル円は米債利回りの上昇にあわせて一旦は一緒に上昇することが考えられましたが、どうもそういう動きにはならなさそうな雰囲気で、株価の下落局面だけ付き合って大きく下落する可能性がでてきそうです。
昔から日本の株式市場は2月節分天井で3月彼岸底などという言葉がありましたが、近年では節分に天井が来ることもなく、すでに2万3000円台に沈みこんでおり、下げだけ加速する局面もみられそうな状況になってきています。
最近市場を賑わせている仮想通貨取引所の問題もこれまでバブルの最終局面になるとこうした詐欺事件などが多く起きていること考えますと、上げ相場のかなり最後の時間帯にいよいよ差し掛かり始めていることを強く感じさせられます。
暴落のタイミングをぴったり当てられればそれに越したことはありませんが、そんなことは誰にもできないだけに、とにかくここから春に向けては相場の変化というものに敏感になる必要がありそうです。
FXの世界ではできるだけ相場の滞留時間の短くなるような取引手法を駆使することが重要で、長々とポジションを持ち続けないことがやはり最善のリスクヘッジ手法になりそうです。いよいよ2月相場がはじまりますが、日ごろにも増して相場の変化に敏感になりたいものです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
