ここのところ金融市場で取引を行う個人投資家の話題はビットコインをはじめとする仮想通貨にすっかりもっていかれている感が強くなっていますが、逆にビットコインなどの異常とも思えるボラティリティの高さを見ますと、FX取引、とくにドル円の取引がかなり安全なものであることを改めて感じさせられます。
大きなボラに慣れすぎるとまともな取引ができなくなる
ビットコインだけ取引していますと1日に20%下落したとか半月で半額になったとかいう話が当たり前になり、一部の個人投資家は大きなボラティリティがでても下落は絶好の買い場などと豪語する始末で異常なほどのボラティリティが出ることにすっかり慣れてきてしまっていることがうかがえます。
しかしFXの世界、とくにドル円などで考えた場合年間のボラティリティが価格のほぼ10%程度ですから1日に20%下落したとなれば111円の相場がいきなり89円以下に暴落したのと同じこと毎日繰り返しているわけで、およそレバレッジをかけて売買するような商品ではないことがよくわかります。
日本人の個人投資家の多くは何の金融商品にもまともにストップロスを置かずにもとの相場に戻るのを長くお祈りして待ちわびるというのが典型的な投資行動になりますから、証拠金の問題で強制ロスカットにひっかかり、しかおも証拠金を超えた損失がでれば単純に追加証拠金の残債だけのこって見事に市場から退場ということになってしまうわけです。
それに比べればリーマンショック級の暴落があるとしてもFXは相当安全な取引であることを改めて痛感させられる状況です。
最大10%のボラに備えた証拠金で勝負すれば負けない
ビットコインに大金をつぎ込んでレバレッジをかけてすべてを失うことをかんがえれば、FXで最初からドル円10%のボラティリティが発生することを想定すれば10万通貨でも100万円余分に入金していれば一切の損切をしなくても損失をまぬかれることになるわけです。
これが100万通貨なら1000万ということになりますが、仮想通貨の暴落で失う資金のことを考えれば相当リスクが限定的であることをあらためて感じさせられます。
まして、一定のストップロスをおいて損失がでたらその都度損切をして大きく証拠金を減らさないようにしながら再度参入機会をうかがうといった売買方針を貫けば、さらに安全な取引を継続させることができるわけです。
これは海外のFX業者を使ってかなりハイレバレッジな取引を行っても同様に言えることで、1日でリーマンショックとバブル相場が交互にやってくるビットコイン市場に資金投入するよりははるかに安全であることを認識させられます。
暴騰理由も暴落理由もわからないのでは投資にならない
投資行動はそれぞれの個人投資家の自己責任で形成されるものですから、やりたいと思う人がいる以上引き留めることはできませんが、実需が伴わない中で急激に価格が暴騰したり、わけもわからず暴落するといった商品やサービスに投資するのが果たして本当に正しい投資なのかという点は相当よく考える必要がありそうです。
日本でもバブル期国内のあらゆる土地、不動産が暴騰しましたが、実需を伴っているものというよりは投機的目的で購入したものが暴騰した後、バブル崩壊後は需要がないためとめどもなく価格が下落しても処分できないという典型的な流動性の欠如が市場全体に現れることになりました。
限られた国土なのだから土地の値段は絶対上がると言われたものですが、まさかのデフレにさらに人口減少が追い打ちをかけて既に東京都下あたりでも流通しない物件が市場にあふれ始めています。
ビットコインのように供給量に上限が設けられているから確実に値上がりするといっても金でさえ供給上限があるにもかかわらず価格は下落するわけですから、稀少性だけが価格を上げるわけではないこともよくわかります。
足元ではFXから資金を抜いて仮想通貨にシフトした個人投資家も多いようですが、いまこそFXで手堅く稼いでいくチャンスが到来しているのではないでしょうか。安全性という視点でFXを眺めてみると改めてその取引に魅力を感じる今日このごろです。