となりの芝生はよく見えるとばかり、FXの証拠金取引からビットコインの取引に乗り換えたFX個人投資家などがビットコインFXでかなりの損害を抱えて大量に死亡してしまった事態が勃発しています。
前々からレバレッジをかけるビットコインFXは相当危ないのではないかと思っていましたが、実損を食らったうえに証拠金の不足分を要求される投資家が非常に多いようで、FXのレバレッジなどよりこちらの規制を先にするほうが重要なのではないかと思われる状況が展開しています。
スプレッドが広がり証拠金を超える損失も続出中
FXの証拠金取引でもよくある話ですが、スプレッドが広がってしまったり、値飛びという現象が起きてしまいますといくら強制ロスカットが用意されていても投入証拠金を簡単に超えるような損失がでるものです。
国内の取引所では追証とは呼ばずに不足証拠金の徴収という形で利用者に不足分の請求を行うようですが、儲かるからということで多額の証拠金を投入して大量の枚数のビットコインFX取引などをしていた個人投資家は利益を大きく失い、さらに証拠金の不足額を支払う羽目になっており、一瞬にして莫大な損失を被ることになっているようです。
上の表は本日明けがた時点でのビットフライヤーが提示している価格ですが、取引所価格とビットコインFXの価格の乖離が凄まじいのもさることながら、高値と安値が大きく離れており、特にビットコインFXではほとんど半値になっていることがわかります。
取引量は特別暴落の日だけ多いというわけではないようですが、とにかくまともに売れるわけでもないので強制決済で死亡するまで座して待っている状態なのかもしれません。
下落の理由はいろいろ言われるが本当の理由はよくわからない
韓国が規制を始めると言えば値が下げ、中国でも規制が厳しくなるという報道がでると大きく値を下げるビットコインですが、正直なところ他のあらゆる金融相場と比較しても相関性が認められずに勝手に暴騰しては暴落するだけなので、こうした猛烈なボラティリティがでる本当の理由というものはよくわからないのが実情です。
確かに初動としてはこうした報道のヘッドラインが踊ることがきっかけにはなっているのでしょうが、個人投資家の数が多くなっていることから売りのために出口に駆け込む輩が殺到するとそれにつられて売りを出す個人投資家が続出して結果的に流動性パニックが引き起こされているように見えてなりません。
Data Bitflyer
また、チャートを見ていますと、下落したところで結構押し目を思って買い向かっている向きが存在することがわかりますが、大きく戻す局面ではなく、結局そこそこの戻りで売り抜けられないとまた値が下がるという動きの連続で、とにかく押し目を買えば儲かると思っている個人投資家はこれを繰り返すことでほとんどの資金を失うことになりかねない状況です。
1月11日にクレディスイスのアナリストが顧客あてに出したレポートによれば、ビットコイン流通量全体の日に97%を同一のアドレスが保有しているということで、異常とも思える寡占化が進んでおり、やり方次第ではネガティブな報道が出るたびに一斉に売りをかければ下落でも儲けを出せるわけですから、まともなボラティリティがでている状態ではない可能性も十分に考えられます。
海外FX会社のXMでは昨年からビットコインFXでBTC USDの取引を行っていますが、年末には一旦取引停止にしていますし、足元ではハイレバレッジが売り物なのに2倍のレバレッジ運用が最高になっています。
ただ、ゼロカット方式で追証を必要としない仕組みはワークしていますので、国内で売るに売れないような業者を使うよりは海外のFX業者を利用したほうがまだ安全な状況です。
たしかにハイボラティリティは魅力ではありますが、何に起因して相場が大きく下げるのかがまったくわからないだけにチャートだけ見ていても儲かる可能性は低く、その他の泡沫仮想通貨に関しては右に倣えの相場になるだけに相当慎重に対応することが必要になりそうです。
こうしてみますと、FXは想像以上に堅実で地道に利益を上げることのできる投資法であることをあらためて認識させられる次第です。
(この記事を書いた人:今市太郎)