昭和のころまでは年末、年始というのは国内株式市場はどんなに地合いが悪くても一応ご祝儀相場というものが展開され、最終日と初日位はそれなりの値が付くことが多かったわけですが、バブルの崩壊が始まった90年以降はいきなり年初から相場が下落するという波乱の展開も多くなっており、ここ数年のアベノミクスでもそうした動きが出やすくなっているのが逆に最近の特徴になってきています。
ドル円は年末からほとんど株式市場に連動する動きを見せなくなってしまいましたが、相場の下落には敏感に反応することが多くなりますので、4日からの国内の株式市場がどう動くのかについてはやはり注意が必要となります。
昨年は11月9日に年初来最高値をザラ場でつけてからは2万3000円台を上値として調整がすでに2か月近く続いていますから、本来ならば上に抜けるのか下に下落するのかをはっきりさせる時期に近づいているということができますが、とにかく外国人勢が買いに入らないとほとんど上がらないのが大きな特徴になっていますので、年始から外人買いがはじまるのかどうかがひとつのポイントになりそうです。
Data Kabutan
米国の株式市場につられて上昇するのかどうかが問題
確かに国内の株式市場では企業の収益が改善するなど株価を押し上げる材料もみられますが、果たして外人勢がそうした個別材料からしっかり物色して日本株を買っているのか、資金の行き場をなくして株価を吊り上げるために日本株に金を入れているのかはよくわからないところもあります。
いまひとつ年明けの為替の材料が乏しいだけにこのあたりの相場の動きもしっかりチェックしておく必要がありそうです。
東京タイムは多少上昇についていく動きを見せるドル円もロンドンタイム以降はまた別の動きになることが多いわけですからここ数日の動きをみてからおもむろにポジションをとるというのも正しい選択になりそうです。
昨年の正月ドル円は上昇
まだ三が日ですから本日のロンドンタイム以降にどのような動きがでるかも注目ですが、一昨年から昨年にかけてはトランプ相場の途上ということで、クリスマスから12月28日までの3日間でドル円は80銭程度のレンジ内で推移したあと29日、30日の2日間で1円以上下落し、さらに年明けの1月2日、3日で2円程度上げるという目まぐるしい動きになっています。
昨年から今年にかけては必ずしもトレンドが出ているわけではありませんので、上げるのか下げるのかは数日相場を確認することが重要になりそうですが、本邦勢がいないと結構相場は動くことが多いのもまた特徴となっているようです。
本邦個人投資家が仮想通貨に流れ始めているのが気になる
昨年末からのドル円相場の動きで多少気になりだしているのが本邦の個人投資家のFX取引に対する動きで、10月、11月とかなりの個人投資家がFXではなく仮想通貨、とりわけビットコインへの投資に傾斜してしまっているのが今年どうなるのかも非常に問題になりそうです。
これまで国内の個人投資家のドル円に対する売買動向というものは少なからず市場に影響を与えてきましたが、ここから個人投資家の売買ポジションが大きく減少するような動きになればドル円の相場そのものに影響を与えることになりますので、非常に気がかりです。
今のところ国内のFX業界では取引量の変化について特別なアナウンスはしていませんが、さらに資金がFXから仮想通貨に流れるようなことになると相場の雰囲気もかなり変わることが予想されることから、年初にそうした状況が加速していくのかどうかもしっかり見守りたいところです。
5日には早くも米国12月雇用統計も発表になりますので、いよいよ週も後半にさしかかると市場に変化が現れることになるかもしれません。
(この記事を書いた人:今市太郎)