1月2日は日本ではまだお正月の真っ最中で箱根駅伝をみながらお餅を食べている投資家の方が多いことと思いますが、海外ではいよいよ今年の相場がスタートするタイミングで一斉に市場参加者が横並びでスタートダッシュをはかることになります。
昨年27日から事実上の新年相場が始まっていますが、いきなり大きく動き出す年もあるものの、様子見からスタートすることもあるのがこの初日の動きとなります。
さすがに2018年は相場がどうなっていくかは、多くの市場参加者が気にしているところですから取引は予想以上に限定的になり流動性が悪化することもあるため、この出だしはかなり注意が必要になります。
引き続き債券金利は重要なバロメーター
昨年末、米国の10年債利回りも上昇しましたし、欧州の債券金利もECBの出口戦略などを睨んで上昇する形となっており、今年も債券金利に常に注意を払うことが必要になってきそうです。
また、炭鉱のカナリヤとして有名な存在となっている米国のハイイールドボンドの動きもS&Pの堅調性とは裏腹に11月から下がり始めている点も気になるところです。
いまや運用難でどこに資金をもっていけばいいか悩みに悩む米国ファンドの運用者や金融機関は危なくても平気でいわゆるジャンク債への投資を進めてきたわけですが、それに変化が見えているようですと、先行きは結構心配になりそうです。
Data Bloomberg
大方の米系ファンドの運用者は今年前半については減税効果などもあってそのままじり高相場が続きいきなり瓦解するような厳しい状況にはならないとみているようですが、相場の下落ほどそのタイミングを当てるのが難しいものはなく、少しでも市場に変化が起きるときにはやはり相当身構える必要がありそうです。
とくに2018年という年はすでにリーマンから10年目を迎えるわけですから、いきなり兆候に変化が訪れることはまったくないと断言できない時間帯に入ります。それだけにおかしいと思う相場の動きにはかなり敏感になるべきであろうと思われます。
ドル円は年明けも主要なテーマ通貨とはならない可能性も
昨年は一昨年の半分の上下動しか示現しなかったドル円ですが、今年も大きく動く可能性は意外に小さいことが予想され、当面小動きが継続する可能性もありそうです。
昨年からアノマリーは悉く粉砕されており、あまり役に立ちませんが、米国で中間選挙が行われる年というのは総じてドルが安めに推移することになるというのが過去の事例からもかなり鮮明になってきています。
今年の中間選挙は11月6日ですからこれが本当ならば事実上この1年はかなり安めに推移することになりかねないわけですから、こうしたアノマリーにも注意が必要になりそうです。
また年明けは以前からも指摘させていただいている通り年初の1月はドル円の動きが反転することが多くなりますが、12月までの動きからしますと上昇しても下落してもおかしくないはっきりしない状況が続いています。
したがて今週からのスタート週間でどのような動きになるのかについて注目していきたいところです。これははっきりとした流れがよくわかりませんので、まず動き出す方向についていく戦略をとることが重要ではないでしょうか。
個人投資家もそうですが、投機筋やインターバンクなども相場がどう動くのかをまずは見守ろうとする動きも強まりますので、フライングでポジションを持つよりはじっくりと構えて後からついていくぐらいの余裕をもった取引が重要になります。
状況によっては年明け早々からとんでもない動きが示現することもよくある話です。年初はとにかく思い込みを捨てて相場に臨むことがお勧めとなります。
(この記事を書いた人:今市太郎)