最近ビットコインに関する市況が非常に多くネットでも飛び込んでくるようになっており、店頭FX業者の一部がその取引所取引に乗り出していることから、なにかとFX取引個人投資家にもビットコインの刺激が多くなっているものと思われます。
とくに為替に比べて非常に上昇率の高いビットコインは、もっとも魅力的に見えるとなりの芝生的存在であり、わかりにくい展開のドル円などで売買するよりも相当魅力的にも思われる取引になりつつあります。
しかしその実態はFX取引とはかなり異なるものがあり、迂闊にはエントリーできない恐ろしい部分を多数秘めていることがわかります。
業者の利用しているシステムに大きな疑問
このビットコインの取引所取引は基本的に相対契約ですから、その取引所の提示する金額とスプレッドで売買しなくてはならないわけですが、XMなどのBTC/USDの取引などと違って取引所における取引はスプレッドが驚くほど広く、足元の高値の相場では売りと買いのスプレッドが平気で3万円近くになることもあり、まずFX取引になれたユーザーならここから面食らうことになります。
またオーダーを出しても、約定はリアルタイムで行われず数分たってからやっと売買が確定するという遅さで、とくにBitFlyerはこの二つのポイントでもっとも取引すべきではない劣悪業者ということできそうです。
これはひとえに業者が持つシステムケイパビリティの問題で、店頭FX大手の業者が参入してさらに市場が拡大すればもう少し改善されてくることが期待できますが、使ってはいけない業者が多数存在する点には相当な注意が必要となっています。
流動性は本当に確保されるのか?
「ビットコイン」にしても「ビットコインキャッシュ」にしてもほとんど状況は同じと思われますが、一気に上昇して最高値などをつけますと、市場には上昇期待の投機筋しか存在していないことから、すぐに売りがでることになります。
買いの相手が高値にはいないですから、あっという間に値が下がることになり、値が下がり始めると売りを持ち込む個人投資家が集中してさらに値が下がるという悪循環を繰り返すことになります。
ですから高値がでれば、必ずその直後に売りがかさんで相場が大きく下落するという現象が日々見られるようなっているのです。
Data BitFlyer
直近七日間のビットコインのチャートをご覧いただくとわかりますが、1日に130万になったかと思えばその直後に100万円に接近するほど下落する場面があり、実に20%以上の上昇と下落が日常的に繰り返されていることがはっきりと認識できます。
これではそもそも現物を買って持っているだけならば追証を必要としないので、損がでても我慢するだけで済みますが、レバレッジがかかっていたらたとえ2倍であっても大きな損失を食らうことは間違いなく、原資を簡単に失うことのできるハイボラティリティ相場であることを改めて認識させられます。
1日で10円変動しただけで暴騰だ暴落だという騒ぎになるドル円を考えれば、20%以上の変動というのは20円以上の上下変動に匹敵するわけですから、その異常さというものは十分にご理解いただけるものと思います。
確かに上昇局面ではこんなに短時間に儲かる魅力的な相場はありませんが、上がるか下がるかはもはや博打の世界を超えたものがあり、長く市場に参加していれば必ず投げか踏みにひっかかる恐ろしい世界となっています。
通貨の取引の仕組みとしてはFXと極めて近いのがビットコインですが、さすがに足元の状況でこの市場にエントリーして確実に利益を上げていくのは不可能に近いものがあり、相当覚悟をきめてから参入する必要がありそうです。
XMなどが提供する売買でも土日の売買ができないときに限って猛烈に相場が上下することになりますので、とにかく週跨ぎでポジションを保有することは最大のギャンブルになっており、こちらもかなりリスキーな状況が続いています。
まずバーチャルな取引ができるところでアカウントを取って利用してみますと、どれだけ危ないものなのか身をもって知ることができるのではないでしょうか。ビットコインは現状では決してFXの延長戦上にある投資法ではないことはしっかり意識すべきです。
(この記事を書いた人:今市太郎)