FX市場はここのところ株との相関性が切れているはずだったのですが、下落という局面に関してはかなり影響を受けて一緒に下がってしまうという厄介な動きが顕在化しています。
とくに日経平均は年明け3万円台かなどと調子のいい話しが飛び出したわりには、2万3300円を付けたあとはすっかり精彩を欠いており、下げの目途を正確にたてるのが結構難しくなっており、ドル円はそれについていかざるをえない状況です。
日経平均はどこまで下落するのかよくわからない
これはあくまでFXのコラムですから株のことは株のコラムにお任せしたいところなのですが、なにしろ上昇にはついていかなくても下落にはしっかり付き合ってくれるのがドル円相場ということで、どうしても日経平均の動きが気になるところです。
東京タイムの日中でも結局リアルタイムの株価を見ながらでないと、ドル円は恐ろしくて売買ができない感じで、どうにもやりにくい状況が続きます。
米国のダウも続落していますが、下落幅はかなり穏やかであり、調整色がつよい印象を受けるわけですが、日経平均は平気で300円以上下落する始末で、暴力的に上げた分どんどん値を下げる展開となっています。
押し目を拾いにいく個人投資家も結構多いようですが、ここまで無理やり買い上げてきた外国人投資家の中の米系ファンドの連中はすでに感謝祭からの冬休みの入ろうとしていますから、クリスマス明けまでは大きな動きをする可能性は極めて低く、押し目のはずが下落の途中に買い向かっただけになるリスクもでてきています。
38.2%戻しになるならば21801円当たりまでの下落が見込まれますが、すでに先物では2万2000円を割っていますから、このあたりまでの調整は十分に可能性があります。
またさらに半値戻しとなると、21312円ということになります。2万1000円台初頭まで下げるとなるとドル円もここからまだ結構下値を模索する可能性がでてきそうです。
113円の買い玉は突破されたが112.500円レベルは残っている
ドル円は下値に控えているとされていた買いが113円台は見事に突破されましたが、112.500円レベルはなんとか相場を押しとどめる壁として機能しています。
ただ、これが切れると111.800円レベルまで下落してもそれほどおかしくはなく、テクニカル的には下方向を気にせざるを得ない状況ですが、果たして買い玉がどこまで下落を防いでくれるのはリアルタイムでその状況を見ながら判断するしかないのが実情となっています。
本日のNYタイムは一旦113円まで復帰したドル円でしたが、後半は113円を挟んで上げたり下げたりする展開で確実に113円が定着したとは言い難く、株価次第でまた下落というリスクも十分に残された格好になっています。
投機筋の手仕舞いも始まっている可能性
昨日のドル円の下げはすっかり日本株のせいになってしまっていますが、実際のところ外資系の投機筋の手仕舞いの売買も出始めている可能性もでてきています。
先週金曜日米国は休日であったため、CME・IMMの投機筋のドル円ポジションは今週月曜日に発表されていますが、先週火曜日段階では12万7000枚とここへきてさらにロングの枚数が増えています。
本来手仕舞いならばこの枚数は減っていてしかるべきですが、さらに積みあがってしまっているのが気になります。
まあ誰でも年末のFRBの利上げのことを考えれば、ドル円が大きく下落するとは予測しにくいものですが、あしもとの状況はドル円ロングの自重で下落していることも考えられるだけに、ここかれさらに下げがきつくなると投げがでて、思わぬとこまで下落するといった危険性が十分にあることを意識しておきたい時間帯です。
一瞬だけかと思われた112円台は徐々に滞留時間が長くなりつつありますので、ここから相場が戻すとだけ断定するのはちょっと危険になりつつあります。あくまで相場の動く方向についていけるようにフットワークを軽くして臨みたいところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)