東京タイムはあまりにも動かなくなってしまい、時すでに欧米投機筋の感謝祭休暇突入なのではないかと思われるほど凪の相場が続きました。
しかしロンドンタイム以降ユーロが急騰しはじめ、なんとユーロドルは1.18を超えるレベルまで値を戻すという驚きの展開を示現することになりました。突然の動きではありましたが、実はその背景はそれほど難しくないようです。
結局ショートカバーの動きか
10月末の「ECB理事会」後急激に下落したユーロドルは、あまりにも典型的な三尊天井のチャート形状を示し、しかもそのネックラインを下抜けたことから、市場参加者のほとんどが下落を期待することとなってしまったようで、結局1.155を割れなくなってから、ほぼ3週間目にして一気に「ショートカバー」が噴出してここまでの高値を示現することになったようです。
これでユーロドルの流れが変わったのかと思うと、実はこの上には走らない可能性も多く順張りでついていくのにもかなり注意が必要になります。
ドル円はユーロ円についていったが失速
ドル円はロンドンタイムの入り鼻、ユーロ円の上昇について113.900円レベルまで上伸することになりましたが、それでも114円台には乗せきることができず、結局NYタイムにNYダウが売られ、債券金利が下落したことで、またしても下値を試す展開に方向転換してしまいました。
といっても113円を下抜けするほどのパワーはなく結局レンジ相場を維持した格好で、こちらも調整の域を出ない動きになってしまっています。
投機筋の年内相場は早くも終了か
昨晩については多少の動意が見られたものの、足元の相場は本当に見事に動かなくなってしまいました。これは日柄調整といえば日柄調整なのかもしれませんが、要するにだれも相場に仕掛けてこないのでドル円でいば上も試さなければ下も試しに来ないというまったくの凪のような状態が続いています。
まあいろいろな理由が考えられますが、先週日経平均で高値から乱高下があったときあたりですでに外資系ファンドの儲かった主要なマネージャーは、早くも戦線離脱をしてしまったのではないかという感じがかなり強くなっています。
昨年はこの時期米国の大統領選挙明けで相場はかなり活況を呈していましたが、今年は全く様子が異なる状況で、多くのファンドがすでに相場から離脱したとすれば、あとは手仕舞い売りぐらいしかでてこない感じで、クリスマス明けまでは大きなトレンドは出ない可能性もありそうです。
国内ではこのタイミングはまだ年末という感じではありませんが、米国のファンド勢は完全に一抜けた状態なのかもしれません。
感謝祭まであとちょうど1週間というところに差し掛かりましたが、昨年と違って今年はファンド勢も早めに手仕舞ってくる可能性は高く、昨日のユーロドルの大幅上昇などもポジションの巻き戻しと考えれば納得のできる状況ともいえます。
年末相場なのにこういった動きでは本邦勢にとっては寂しい限りではありますが、ここ数年年末ラリーが当たり前のように繰り広げられたものの、実際は今年のような手仕舞い方がどちらかといえばオーソドックスなものであることからあきらめるしかしょうがない状況ともいえます。
今回わかりましたが、ユーロドルとユーロ円はここからロングの解消はあまりでなくて済みそうな状況で、ドル円のロングを投機筋がここからどうするつもりなのか、まだ寝かせておいて12月の「FOMC」まで様子を見るのかどうかが注目されます。
ドル円の場合はレンジと割り切れば、デイトレ以下でまだそれなりにとれそうな瞬間もありますのでできれば、ロンドンタイム以降で勝負をすることをお勧めしたいと思います。東京タイムは仲値が済んでしまいますと本当に動かなくなってしまいます。
(この記事を書いた人:今市太郎)