ドル円は6日の東京タイムで114.500円を上抜け、いよいよ久々に115円台に突入かと思わせましたが、114.500円にまたしてもオプションが設定されており、NYタイムに入っても上値を追う動きにはならないまま、共和党内での税制改革法案がすんなり年内通過とはならなさそうな報道も加わって、結局114円台を維持できないまま下落、113.800円割れのストップロスを巻き込んで113.700円台へと押し戻される恰好になっています。
これだけ株価も強いわけですから本来はすんなり115円レベルに戻してもおかしくはないのですが、そうは問屋が卸さないかなり微妙な相場になってきています。
下値を試すほどの材料もないが上値を目指す材料もない
現状でいいますとドル円は大きく上伸する材料に欠けているうえに、下値方向を試すだけの材料もまたないという非常に中途半端な状態で、下げない代わりに上げないとなると本当に細かくとっていかない限りドル円で利益を得るのは非常に難しくなりつつあります。
残り2週間あまりでいよいよ米国は感謝祭のお休みに突入しますから、それまでにドル円が上昇しなければ、ドル円ロングのポジションの手仕舞いをしかけてくる投機筋も現れる可能性があり、上値はかなり微妙な状況になりつつあるようです。
すでに日経平均は2万3000円を視野に入れた動きになりつつありますが、ほとんど関係ない動きになってしまっているのがドル円で、昨年の今頃とはかなり雰囲気が違うことを改めて実感させられる次第です。
ユーロドルも米国の状況次第では下がらないか
三尊天井を抜けてとにかく売りサインがともっているユーロドルですが、こちらのほうもするする1.15を割れるほど下値追いをするという動きでもなく、いまのとこと1.16あたりで様子をうかがう状況になっています。
本来ならばドル円よりもよほど明確な方向感がでているように見えるわけですが、必ずしもそうでもないようで、こちらもかなり用心しながら下落についていく必要がありそうです。
ただ、ユーロ円のほうはドル円がぱっとしないところにもってきて、ユーロドルも下方向であることからいよいよ正念場にさしかかってきているようで132円台をどんどん割り出すと意外に下落が早くなりそうです。
このようにどの主要通貨ペアを選んで売買しても大きく利益がとれる勢いが感じられず、かなりやりにくい相場になってしまっているのが現状です。
投機筋はこの年末為替を捨てて株にかけているのか?
まったくいいところのない足元の為替市場ですが、投機筋は今年の年末にむけての相場をとにかく株にかけており、過剰流動性の中でここから大きく上がらない米国の株式相場に資金を投入せず感謝祭前後ぐらいまでの短期勝負で日経平均を釣り上げることに、かなりの力を使っている可能性がありそうです。
円キャリーのトレードの場合、もともと調達資金が円であるために日経平均に資金を突っ込みやすくなりますが、反対売買がでて利益が確定した場合には逆に本国にドル転して持ち帰らなくてはならなくなりますから、日経平均に外国人売りがでた場合にはそれなりに円高に向かうという動きがでることも想定しておく必要がありそうです。
さすがにドル円も年末にむけては115円を試しに行くぐらいのところまでは、上昇するものと思われますが、それを大きく超えるかどうかは米国の債券金利次第の部分があり、この場に及んでもまだ先行きがよくわからないのが正直なところです。
やりにくさ満載のFX市場ではありますが、とにかく大きくとることはあきらめてコツコツ無理のない範囲で利益を積み上げることに徹するしかないようで、面白味はありませんが安全な方法で売買を継続していくことが一番の得策になってしまっているようです。
(この記事を書いた人:今市太郎)