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いよいよ11月相場と意気込んではみるものの、実際のFX市場の主要通貨ペアの動きを見ていますと、大きなトレンドがでてがっちり儲けられそうに見えるのは「三尊天井」を下抜けたユーロドルぐらいで、ドル円はどうも上値と下値を抑えられて年末までよほどのことがないかぎり、大きな動きが出そうには見えなくなってきました。
しかしレンジ相場ならばそれなりのやり方はあるわけで、むしろ個人投資家にとっては好都合な時間帯でもあるといえます。今回は再度ドル円の足元の状況を確認し、そこからどうやって利益を生み出すかについて考えてみたいと思います。
114円台後半から上には実需の売りが並ぶドル円
ドル円は先週の雇用統計後も114円台に値を戻して114.500円を試す動きを見せましたが、結果的には突き抜けるような形にはなっておらず、114円台すれすれのところで週末を迎える形になっています。
114円台中盤に向けては10月末から何度か試しに行っていますが、一番接近した10月27日に迫る形にはなったものの、これで実に4回挑戦して失敗をくりかえしている状況です。
先週は114円台に猛烈なボリュームのオプションがあったことから、114円台を挟んでの行ったり来たりの売買が中心になってしまったことも買い上げられない大きな理由となっているようです。
114.500円を抜けられても、115円の手前にかなりの実需の売り切り玉が並んでいるようで自動車などの輸出系はすでに2018年度第一四半期（4～6月）の手当てを始めていることから、これをすんなり抜けて118円方向にドル円が向かうためには相当、米債の金利が上昇するなどの材料が求められることになりそうで、12月のFOMCの利上げだけでそこまで到達するのかどうかはかなり微妙といえます。
トランプラリーは来年の中間選挙までの第二弾が株式市場では囁かれだしていますが、ドル円がすんなりそれについていく動きにはなっておらず、特に今年の年末までを考えると115円台まで到達すればかなりいいほうではないかとも思われます。
下値も本邦生保勢の買いが待ち構える状況
一方下値のほうもかなり堅い状況で生保勢が外債投資のためにドル円の買いを入れてきていることから113円台が割れても買い下がりの動きを見せることは間違いなく、よほど相場を揺るがす事態が起きない限りは下値も相当しっかりした状況になりそうです。
したがって当面は113円から115円が主戦場であり、それを下抜けることがあっても買い場として機能することからストップロスをしっかりおいて逆張りで対応することも可能になりそうです。
これが短期的に明確なトレンドを発揮して大きく上抜けていくことや下抜けていくことを期待するのはどうもかなり無理がありそうで、狭いレンジならばそれに対応した売買を行うことを目指すことをお勧めしたいと思います。
あえて動かない相場ならば短時間に利益を積み上げていくスキャルやデイトレがやはり有利で、一定期間内に通常よりも枚数を増やして売買することで利益を積み上げていく方向に戦略を変えることが安全で確実な方法になりそうです。
11月も23日以降の感謝祭になりますとまた相場が動かなくなりますからこれができるのもあと3週間たらずということになります。その間に大きく相場が動き始めればそれに順張りでついていけばいいことになりますが、あまり動かなくても確実に利を積み上げることができるような売買を心掛けたいところです。
東京タイムも仲値までは動きがありますが、あとは膠着しやすくなりますので、午後5時以降のロンドンタイムから午前1時のロンドンFIXまでを狙った売買に集中してみるなどの工夫も必要になります。
どうやらこの相場状況では、しっかりとれるところで勝負するという発想が常に重要になりそうな一か月です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
