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BOE（英国中銀）は2日、市場の予想どおり0.25％の利上げを実施し「政策金利」を0.5％へと引き上げました。
なんと「10年ぶりの利上げ」となったわけですが、最近の市場の傾向として事前の期待に届かないことや文言が声明に含まれると簡単に相場が嫌気して反対売買に走ることで、この日のポンドも金利上昇を受けてそのまま上がるかとおもいきや、とんだ動きを示現することになってしまいました。
緩やかな利上げ声明をうけて大幅下落
直近のポンド円1時間足のチャートを見ていただくとわかりますが、10月末から上昇しはじめた相場（といってもここ3日の話ですが）は、翌日152円に極めて近いところまで上がって、その後一段下落する展開となり151円ちょうどあたりでBOEの政策発表を待ち受けることとなりました。
瞬間的には利上げで上に跳ねましたが、向こう３年間は「非常に緩やかな」追加利上げが必要になると予想しているとのコメントがついたことから、相場はいきなり暴落をはじめ、ケーブル名物行ってこいが今回も完成して完全に10月末のレベルを下抜けるほど値を戻すこととなってしまいました。
FXというのは後からみると結構簡単に見えるわけですが、結果論から言えば上昇したときに欲張らずにリカクしておき、政策発表の内容をみてからおもむろに売りでついていけばよかったということになります。
下手に結果を待ってポジションなどをもっていなければ損切りにあう必要もありませんから、やり方を相当考えないと儲からないということになってしまいます。
確かに、ドル円やユーロドルなどが動かない時期でもポンド主体で大きく相場が上下するのがこの通貨の特徴となりますが、逆張りは禁物で、平均で1日瞬間的に3円近く動いてもやっていけるような取引の仕方をしていませんと、何度挑戦しても大損するばかりという相当難しい通貨であることをあらためて感じさせられます。
EUからの離脱決定後ポンド急落が起きたことがインフレの高進をもたらしたことで、景気がよくてインフレが起きているのではなく、いわゆる「スタグフレーション」が今の状況を引き起こしていることに最大の問題があります。
したがってここから利上げするからポンドが上昇すると言っても常に問題となるのが「BREXIT」の進捗とその結果英国にもたらされる危機的な経済の示現であり、一時的に上昇することがあってもそれは下落のための序章に過ぎないということを常に意識しておきませんと、FXでも失敗するリスクが非常に高いことがわかります。
特にポンド円というのはまったく「実需」のない世界で作り出された架空通貨ペアですから、買った分がそのまま、元に戻るという行って来いは実に起きやすい状況で買い切り、売り切り玉が存在しない分、非常に危ない取引に常に直面していることを意識してく必要があります。
直近でいえばビットコインの売買よりも頻繁に乱高下しますから、よほどの目利きで常にポンドを見続けていませんと、気が向いたときだけ売買するのでは非常に危険であることも見えてきます。
9月FX市場ではポンドに大きなトレンドがでたことから、投機筋が資金を投入してかなり利益を獲得できたようですが、10月、11月とその相場の雰囲気はかなり異なっており、よほど魅力を感じる方を別にすればポンドで稼ぐのは相当な気合が必要になりそうです。
それがまた魅力という方もいるわけですから、人それぞれではありますが、できれば大きなリスクをとらずに利益を積み上げられる選択をしたほうが結局個人がかかわるFXの世界では大きな成果を得ることができるものと思われます。
（この記事を書いた人：今市太郎）
