1日朝3時に発表された米国FOMCの政策決定会合では市場予想通り利上げは見送りとなりましたが、12月の追加利上げを強く示唆した声明となったことから発表を受けて、一旦下落したドル円はその後債券金利の上昇から114円台に回復しました。
しかし、開けた東京市場では上値追いは続かず、材料出尽くし感満載で、3日の雇用統計待ちの相場になってしまったようです。
また本日の米国時間に発表されるとされている新FRB議長人事のにも注目が集まっているようで、それまでは大きく相場が動くことはなさそうな状況です。
11月に入っても方向感はいまひとつ掴みにくい
11月入りでFX相場ももう少し明確な方向感がではじめるかと期待していましたが、今週は材料が多い割にはほとんど相場も動かず、スキャルピングで稼ぐのには比較的やりやすい状況が続きますが、大きく利益を上げられる相場とは程遠いのが実情です。
ドル円は114円台中盤を抜けらられれば115円台中盤を目指すことになるのでしょうが、114円ジャストにかなり大きなオプションがあることからこのレベルを上下に大きく離れることもできないようで、上下を丹念にとっていく以外にはちょっと方法がない感じです。
またヘッドアンドショルダーを下抜けたユーロドルでしたが、ここへきて下げ渋りもみられており、しっかり戻りを売らないと担がれかねない動きがみられるようになっています。
本来ならばこのまま1.14割れぐらいまでは走るのかと思われましたが、こちらもそれほどの動きはなく、ここのところ激しく売られたユーロ円も下げ渋りで拍子抜けの状況といえます。
当面の材料は米国の減税案と対北朝鮮政策か
FRB議長人事はパウエルでかなり織り込まれているようですから、ここからさらに発表を受けて大きな動きになるかどうかは疑わしい状況です。
米国の減税案に関しては法人税の段階的実施などというは話がでると、結構株も為替も売り込まれる可能性が高く、やはりこの枠組みの法案が議会で成立しなかった場合には相当な期待剥落売りがでそうな感じになってきています。
また、トランプのアジア歴訪の最大の理由とされている北朝鮮への武力制裁が各国との協議で承認されるようなら12月に本当に武力的な制裁が行われる可能性も残されており、こちらも市場が全く意識していないだけにいきなり始まれば結構相場が荒れる展開になりそうです。
こう見てきますと、どうも大きな波乱がでるのは米国の感謝祭以降になるかもしれず、年末にかけてはかなり気の抜けない相場が続きそうです。
投機筋も相当迷っているはず
方向感がはっきりしない相場はプロが見ても同様のはずで、年末に向けてまとまった金を稼がなくてはならない投機筋もそれなりに焦りを感じているものと思われます。
したがってここから何か仕掛けを出してくることも考えられますが、それがトランプラリー第二幕になるのか積み上げたポジションの大幅解消売りを皮切りに反転した動きになるのかはまだよくわからず、動かない相場といえども注意深くその動向を見守る必要がありそうです。
多くの投機筋も感謝祭までには一定の方をつけたいと思っているはずですから、いきなりここから動きが強まることも考えられますが、とにかく米国の10年債金利はゆっくり上昇をはじめていますので、ついていくならドル高方向ではないかと考えられます。
足元でも金利が上昇しないわけですから、ここから12月のFOMCの利上げに向けてどこまで上昇が期待できるかは不明ですが、とにかく指針となるのは10年債金利であることは間違いないため、頻繁にチェックすることが先行き相場へのヒントとなりそうです。
11月相場も先月に引き続き相変わらず難しい判断を迫られる動きが続きます。
(この記事を書いた人:今市太郎)