トランプが訪日を皮切りに韓国、中国、フィリピンを歴訪し、ASEANの会議ではプーチンとの会談も予定されており、いよいよ北朝鮮征伐のコンセンサスをとるのが大きな目的なのではないかとの憶測も強くなりつつあります。
そこで気になるのが北朝鮮の動向ですが、国内のメディアもトランプ訪日時のリスクについては不遜ということなのかまったく語られることはないままになってしまっています。
しかし北朝鮮にしてみれば、黙っていてもどうせ成敗されるのであれば、このタイミングにパフォーマンスを繰り広げるのがもっとも効果的であるはずで、たしかにこの時期にことを起こせば致命的な事態に陥ることになるのは、誰しもが予想されることではありますが、そんな発想を北朝鮮がするのかどうかが非常に気になるところです。
北がミサイルを飛ばせるのは日本の方向しかない
北朝鮮にとっては中国に向かってミサイルを飛ばしても、韓国に打ち込んでも戦争以外のなにものでもなくなってしまいますから、とりあえず空をこえて太平洋上に打ち込むとなれば、日本を通過する方向しか残されていないのが実情です。
となるとトランプ来日時に東京の上空を通過するかたちでミサイルが素通りするなどということは十分に想定できることで、もちろん大騒ぎになり米国が戦争のボタンを押すことにはなるのでしょうが、この場に及んで北が自ら自粛するとも思えない状況です。
相変わらずミサイル発射で円高だが・・・
この話は初動段階では「アルゴリズム」が即座に反応することから、ドル円は一旦円高に走ることになるのでしょうが、米国が即座に応戦を決意して反撃をした場合には、そこからいきなりドル高に転換することが予想されます。
ここからはメディアを含めてだれも語らない話になりますが、北がさらなる反撃に出た場合にどの国にどのぐらいの被害が発生することになるのかが、大きな問題になります。
あまりリアルに考えたくはないことですが、国内にも米国の軍隊の施設が点在しているわけですから、そうしたものが攻撃を受けてもそれなりの被害になりますし、なにより韓国が本格的な戦争に巻き込まれると日本は紛争地域の隣国となります。
ウォンが異常に売り込まれれば、一時的に円高になることも想定され、実際に何がどう起こるのシナリオ次第でドル円も上か下かの判断が異なることになりそうです。
国難で選挙までしたのにゴルフとピコ太郎会食
襟裳岬を大きくこえて2000キロも先に着弾したときから、大騒ぎをして「国難だ」とばかりに解散総選挙までしたこの国ですが、トランプが来日するとなれば国家機密なので場所は公表しませんが、のんびりゴルフをして、会食にはトランプの孫娘が好きなピコ太郎まで呼び寄せるという、実に呑気が日程となっていることにはえらくギャップを感じます。
この期間中には「北朝鮮はなにもしない」との確約でもとれているようにしか見えない雰囲気で、どうしてここまで楽観的になれるのかがよくわからない状況です。
もちろん何もなければそれに越したことはありませんが、ひとたび北朝鮮がこの期間にミサイルをぶっ放すことになると相場はかなり荒れそうで、市場が無関心を装っていても一応は気にしておいたほうがよさそうです。
FX市場は同じネタがでてきても喉元すぎる状況ではほとんど関心がないといった不思議な反応がでやすいものですが、北朝鮮のミサイルに関してはかならずしもそうではなく、実際に事が起きれば結構な動きになることが予想されます。
なぜ、今安心していられるのかがさっぱりよくわかりませんが、今週後半から来週にかけては引き続き厳重な注意をし、ポジションをもったらまさかのときのためにストップロスを置くことと、週を跨いでポジションをキープしないことを心掛けるべきではないでしょうか。
(この記事を書いた人:今市太郎)