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8月のFX相場が終了しました。結果からいいますと8月1日の終値が110.360円ですから、ぎりぎりで微妙な”陰線引け”となってしまいました。
8月は円高か円安になるか？というFXコラムでも以前書きましたが、結局大きくは下げるものの、月末にはそれなりに戻ってきておしまいになる8月のドル円相場がそのまま示現したような月となりました。
7,8月が陰線引けだと12月が陰線になる可能性大だが
あくまで過去の事例に過ぎませんが、7月、8月ともにドル円が陰線引けとなる場合には「12月も陰線引け」になることが多いといいます。
つまり年間を通して陰線になるというわけですが、今年の場合には年初が非常に高いところにありましたからこの可能性は高くなるのはもはや当たり前とも言え、多くの市場参加者はここからドル円がどこまで上昇するのか？はたまた下落するのかを注目されていることと思います。
今年の夏は悉く「アノマリー」が打ち破られていることからFXの相場も9月から一体どうなるのかが、もうひとつよくわかりにくくなっていますが、材料だけから考えると決してドル高にはなりにくくなりつつありますから、それぞれの取引局面で「ショートカバー」などから上昇することがあったとしても、一方的にドル円が115円、118円と値を回復できる可能性はかなり低くなっているとみてよいのではないでしょうか。
米政権のドル安政策いよいよ登場か
NYタイムでは「ムニューシン米財務長官」が「長期的にみたドル高は米信頼感の表れ」としながらも、ドル安が米貿易にとって有利な点はあるとの見解を示し、ドル円は109.88円の安値をつける場面がありました。
どうも政策が悉くうまくいっていないトランプ政権は、いよいよ独自に展開できる政策としてドル安を全面に持ち出してくる可能性も高まっており、この秋からは本格的にドル安政策を具体的に展開してくる可能性も高まりつつあります。
これまでもドル円はきわめて政治的にそのレートが決定してきているだけに、第二の「プラザ合意」のような動きがではじめると一気にドル円も円高に巻き戻るリスクをかかえることになりそうです。
とくに減税やオバマケアの改案の部分がまったくうまくいかなくなると議会の手を借りずに実現できる、ドル安の牽制政策はかなり現実のものになりやすく、どうも相当な注意が必要になりそうです。
債務上限問題でがたつき始めているこの時期に、あえてまたムニューシン長官の口からこうした発言が飛び出してきているのは非常に注目される状況といえます。
北のロケットよりトランプ政策で相場は動きそう
北は9日にむけてまたロケットを発射することになるのでしょうが、どこの領土にも着弾せずに日本だけ飛び越えていくことが常態化するともはや「リスクオフ」にもならなさそうな気配で、9月はむしろトランプの政策と債務上限問題への対応のほうが相当相場に影響しそうな気配になってきています。
本日の雇用統計も数字がよければドル円は一定の上昇を見ることになるものと思われますが、ここからの上昇は絶好の売り場になることも認識したうえで売買を進めていくことが重要になりそうです。
また4日は米国がお休みになりますので、意外な手仕舞い売りも考えられますし、本日はNYタイムの午後はほとんど休業状態になることは意識しておくべきでしょう。
ここのところたいして動くわけではないドル円ですが、日々のトレードをしていますと、かなり難しくなってきており「スキャルピング」で対応するにしてもその難易度は相当高まっています。
8月にしっかり利益が出せたFXトレーダーは相場の動きに敏感に反応できるタイプなのだろうと思いますが、ほとんどのFXトレーダーは売っても買ってもやられることが多かったはずで、ある意味ではユーロドルを手がけたほうが「ボラティリティ」も大きく、利益の上げやすいディールになりそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
