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どうも今年の夏のFX相場は不思議な雰囲気が漂いはじめています。北朝鮮の問題でようやく8月の調整「アノマリー」が履行されることになったのかと思いましたが、米国の株式市場は下げをすっかりリカバーする形となってしまい、期待したような下げが出ないままに終わりそうな妙な雰囲気が醸成され始めている状況です。
もちろんまだこれからなのかもしれませんが、このまま調整もないままに株式市場が突き進むということになりますと、今度は9月以降に驚くべき調整が入る可能性もあり、例年の「アノマリー」とは別の動きを想定しておく必要もでてきそうな状況です。
思い出される2015年8月24日の大暴落FX相場
米国の相場暴落というと10年ごとの大きな下落相場が気になりますが、2015年8月24日にもNYタイムで株式市場がいよいよスタートしようとした矢先の日本時間の午後10時15分過ぎにいきなり相場が暴落しはじめ、あっという間に3円近い下落を示現することになったのは記憶に新しいところです。
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このケースも8月11日に中国人民銀行がむりやり人民元を切り下げたのが直接的な原因となりましたが、下落が登場するまでになんと2週間近くかかり、夏休み疲れの相場をいきなり正気にさせる動きとなったのは言うまでもありません。
北朝鮮が15日になにかをしでかすことになれば、このFXコラムが掲載されたころにはFX相場が大変動している可能性もありそうですが、いまだ油断大敵といったところではあるものの、株式相場はまたどこ吹く風の状況に戻りつつあるのが気になります。
米国市場は株もFXも暴落を知らない世代が中心に運用
年をとった世代にとっては「2007年や2008年」というのはつい最近の話に思えますが、今の金融市場で働く20代後半から30代前半の世代にとっては、10年前はまだ大学生ですらなかった時代であり、さらに言えば9・11の起きた2001年やその前のITバブルが崩壊した2000年あたりのFX相場の動きなど知る由もないのが実情となっています。
毎回暴落が10年ごとに起きるたびに、どうして同じ様なことが何度も何度も繰り返されるのかため息をつきたくなりますが、結局のところ市場で運用を行なっているプレーヤーが大きく変わっていることが、過去の失敗事例をうまく活かせていないのではないかと強く感じる次第です。
日本の証券市場に比べますと米国の市場は新陳代謝が激しく、若い層によってなんとか維持されており、古い暴落を経験しているのは一定の年齢層から上だけであることが、今のようなじり高一辺倒の株式相場にまったくリスクを感じない層を生み出しているように見えてなりません。
リスクはいきなり示現するもの
閑散相場のNYタイムではダドリーNY連銀総裁が、予定どおり「FRB」は「バランスシート」の縮小と利上げを示唆したことから債券金利が上昇し、ドル円は下がらない動きになってきています。
まさかということでは債券相場が甘く見ている「FRB」の対応が予想以上に厳しくオンタイムになることも考えられ、株式市場に少なからぬ影響がでることはまだこれから考えられます。
お盆休みが終わると日本では8月も終了といった印象が強くなりますが、まだ半月残されているわけですから、ここから大幅な株価調整などが起きればFX市場でも大掛かりな調整が示現するリスクは残されている状況です。ここからも油断せずに売買を行なっていくことが必要となります。
ドル円は週明け109円台に戻しましたが、上値は重く、しかも110円台から上には相当なリーブオーダーも残っている上に7月からのドルロングのポジションもまだかなり滞留していることから、よほどの押し上げ材料がない限り、上値は圧迫された状態が続きそうで、一旦ポジションが切れないことには上昇も覚束ないところにあり、下落ポイントで買いを入れても思ったほど戻らないのにはかなり注意が必要です。
（この記事を書いた人：今市太郎）
