7月最後の日となる31日、ユーロドルはLondon Fixに向けて月末需給の助けもあり一気に1.18を上抜ける動きを加速させることとなっています。
一方ドル円は月足でわずかながらも20ヶ月移動平均線を下回って取引を終了しており、明確に流れが変わる状況となってしまいました。
ユーロドルの次なるターゲットは1.2
1.18を抜けたことでユーロドルは当面1.2を目指すことになると思われますが、ユーロドルの買いで利益を確保できているファンド勢とは別にドル円でいよいよ損切りのリスクが高まったいるファンド勢もおり、この両者がどこまで同一なのかはまったくわからないものの、悲喜こもごもの状況が出ていることだけは間違いなさそうです。
円キャリーということで金利差から少なくともドル円はドル高と見たのが大きな間違いで、しかも今となってはかなり高い水準で買い上げているわけですから、いよいよ損切りのタイミングが近づいている印象が高まりつつあります。
月足のチャートを見てみますと、過去2年間超えることのなかった1.18を明確に抜けてきていますから、1.2を目指すとともに投機筋はこれまでの倍返しの1.33レベルぐらいまでの戻しを狙っている可能性があります。
また現状のドルの弱さと、米国市場から資金が逃避し始めるタイミングを考えますと、過去2年以上にわたるユーロドルの動きが完全に終焉することになるのかも知れません。久々に為替市場のテーマ通貨に新展開が現れているともいえる状況です。
ユーロドルも強いとはいえ、レジスタンスに阻まれますと、一旦は下落する傾向がありますので、ここからは飛びつき買いはできるだけ控えて、下落したところを丁寧に拾っていく方法で上値試しに参加していくことがお勧めになります。
すでにかなり上昇してしまった印象もありますが、まだまだ参加して利益を得る機会は残されているようですから、慌てる必要はまったくありません。
ドル円は110円割れから大量の損切り登場か
この先110円を割れるのも時間の問題になりつつありますが、109.800円レベルから下には一斉に損切りが始まるラインが待ち構えており、ある程度110円手前でサポートが強まっても一気に流れを変える材料が8月相場にはまったく用意されていないだけに損切りで下方向に大きく走るリスクが高まりつつあります。
月足20ヶ月移動平均線を下抜けてきたことで、多くの投機筋はドル円を売り目線で考えるようになってきていますので、少なくとも8月一杯はかなり下方向への動きに注意が必要になりそうです。
市場参加者が少なくなるだけにちょっとした売りでも大きく市場が反応することも予想されますから、迂闊に値ごろ感だけで買い向かうのは当面やめておいたほうがよさそうです。いずれにしてもお盆明けにまた流れが反転することもありえますので、買い場はまだこれからといえます。
それにしても毎日のように下値がきり下がり、上値が重くなるドル円にかなりいらいらしているポジション保有者は増えているものと思われます。しかし米国10年債利回りもまったく上昇する気配がなく、ほとんどドル円の上昇を支援する材料がないのが気になります。
NYダウはいよいよ走り始めたか?
NASDAQは下落局面ながらNYダウのほうは週明けもザラ場で史上最高値をすでに4日更新しつつあり、いよいよ相場の最後に向けて走り始めてきた感があります。
ここまで相場が強いと多くの市場参加者も妙な強気ムードに飲み込まれてさらに上昇をめざす相場の雰囲気が醸成されるものですが、果たしてそうは問屋がおろすかどうかが大きな問題で、今週後半の相場あたりからその片鱗が見え隠れする可能性があります。
相場の楽観ムードの先にはろくなことが待ち構えていないのが株式市場の特徴でもありますから、これに為替が巻き込まれないかどうかは相当慎重にチェックする必要がありそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)