25日のNY市場ではドル円が大きく「ショートカバー」する動きとなり突っ込んで売った向きがほとんど切らされる相場が続き26日の東京タイムではすでに112円台に回復してきています。
しかしここから上には未曾有ともいえるほどドル円のロングが待ち構えていますので、そこそこ上昇すればやれやれ売りが出やすく、そう簡単には上昇が見込めない状況です。
なにかをきっかけにしてよほど米国債券金利が上昇するようなことになれば大きな上申も見込めることになりますが、果たしてこの7月の後半にそこまでの動きを示現することになるのかどうかが注目されます。とにかく今週は以下のイベントと指標の発表の内容を見守りたいと考えます。
明日早朝のFOMCは基本的に現状維持
明日午前3時に公表されます「FOMC」の金融政策は基本的に現状維持がみこまれており、それ自身が市場を大きく動かす材料にはならないと見られています。
また「イエレン議長」の会見も今回はセットされていませんから、唯一あるとすれば声明文の文言に変化が現れるかどうかという問題になります。
すでに市場の予測では9月から資産縮小が始まり12月には利上げが再開かともみられてきていますが、債券市場はさらにシビアな見方をしており、ここから簡単に「イエレン議長」は利上げをできないのではないかという観測が強まっているだけに、先般の議会証言にも出てきたようにゆっくり利上げするといった内容が声明文にさらに強く現れることになれば、債券金利はさらに下落することが予想されることからドル円も再度軟調に推移することが考えられ注意が必要です。
仮に市場の予想を大幅に上回ればまたしても利上げの可能性と資産縮小がオンタイムで実施される可能性が高まりますので相場は上昇し債券金利も高めに推移することになりそうですが、逆に予想を下回るとドル円はそこから大きな下落に向かうリスクもありそうです。
一般的に大きな暴落などがなくても米国の株式相場は8月にかなり大きく下落するのが「アノマリー」化されており、それに輪をかけて下落するのが日経平均の株価となっています。
それだけに株式市場と連動してドル円が下押しする可能性は高いのが現状です。また8月初旬から中盤にかけては米国債の利回りが支払われることからその分を円転する動きもでて、通常は前半ドル安円高になりやすいという点にも注意が必要です。
本来はもっと金利を積極的に上げてこうした状況を抑制しなくてはならない状態に近づいていますが、ここから手綱を引き締めすぎれば株式相場がいきなり暴落する危険性もあり「FRB」のハンドリングはかなり難しいところにさしかかってきています。
「債券市場がもうこれ以上利上げをすることは簡単にできないのではないか」と高を括る動きにでているのもかなり理解できるところで、これまで誰も実際にやったことのない異例の「金融緩和」に対する巻き戻しが何も問題なく行われるかどうかもまったくよくわからないのが実情となってきています。
8月は時節柄上方向よりも下方向へ相場が動くことに注意しなくてはなりません。最初からあまり決めうちすることはよくありませんが、8月の「アノマリー」の確率がかなり高いということについても十分に確認しておくことが重要になりそうです。
ひょっとすると週明けからの相場はがらりと様相が変わるリスクも十分に考えられるところです。
(この記事を書いた人:今市太郎)