17日夜米上院で与党・共米上院で与党・共和党が成立を目指す医療保険制度改革(オバマケア)をめぐり、共和党議員二人が反対を表明したことから上院の賛成票が過半数に満たないこととなり、可決が難しくなったことからドル円は一段と下落することになりました。
これだけはあっさり決まるのかと思いましたが、やはり中身がしっかり詰まっていないだけにそう簡単な問題ではないようで、この結果減税の財源もうまく確保できなくなりそうなことから、減税策もたいしたものにならないのではという見方が広がりつつあります。
「ボルカールール」の改定も北朝鮮征伐の話も大きな話だけは登場するものの、実際にはなにもやらずに一定の効果を享受するというトランプのやり方は、話にならないという見方がある一方で、実は判っていてわざとやっているのではないかという話も出始めています。
実際のところ株価はじり高を続けていますし、「FRB」が利上げと資産縮小をかかげてもなんら相場に影響はなく、知らないうちにドル安だけは示現して、ほとんどトランプの思ったとおりに市場が動いているといわれると確かにそうで、もしこれをわざとやっているとすれば聞きしに勝る相当な兵であるとはいえそうです。
しかしほとんどの期待が剥落する中で、どこまで株式相場が維持されることになるのかはやはり大きな関心が注がれる事象ということができそうです。こうなるとやはり8月以降に大きな調整がでるかどうかが非常に気になります。
まさか相場の大きな下落を待っているのか?
こうなるとさらに疑いたくなるのは、トランプは相場が大きく調整するのを待っているのではないかということです。確かにトランプ政権のスタートはすべてが絶好調の中から始まっていますので、ここから先は悪くなることしか想定できない状況です。
したがって株式相場などが大きく下落した段階でタイムリーに緩和措置になるような政策を登場させればさらに効果が上がり、市場からの評価も高まる可能性はかなり高くなります。まさかとは思うものの、トランプのビジネス発想で言えばこうしたことを考えていることも十分に想定できる状況です。
となるとここからトランプ政策が秋口に向けて矢継ぎ早に登場し、相場をさらに押し上げるという話はほとんど考えられなくなりそうで、やはりどこかで大きく調整する瞬間が登場することを心配しておいたほうがよさそうな状況です。
トランプの支持率はだいぶ下落しているようですが、ご本人はあまり気にしていないご様子で、気がつけば安倍内閣の支持率のほうがはるかに低くなっていますから、まだトランプのほうがましともいえそうです。
いずれにしてもトランプ政策期待で相場が盛り返すことは今のところほとんど考えられなくなってきており、金融株がリードして米国NYダウが大きく走り始めるといった期待をするのにもかなり無理がありそうな雰囲気が強まっています。
ドル安相場はまだ始まったばかり
ユーロドルは大きく上昇し、ドル円は一気に112円割れを彷徨う形になってはいますが、冷静に見るとドル安はまだまだ始まったばかりで、調整がでるとすればもう少し長引きそうな気配が感じられます。
ただし、夏枯れ相場に突入しますから大きくドル下落トレンドが形成されてしまうのかどうかはあくまで実際の相場を見てみないとよくわからないのが現実です。
来週に入るとさらに市場参加者が減ることが予想されますので、明確なトレンドがでるのか膠着相場になるのかははっきりしませんが、ユーロが市場にテーマになってきているのは確実な状況ですから、ドル円は目立たない存在として推移することになりそうで、動きがはっきりするならばユーロ主体で取引を考えることも必要になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)