金利の上昇から思い切り短期投機筋が買い上げたはずのドル円は完全に息切れ状態に陥っており、実は短期投機筋はドル円もユーロドルも反対売買して、かなり大きなユーロ円の決済をしてしまった感があります。
ユーロ円は11日のNYタイムに「130.760円」までつけたあと大きく調整していますが、この間にユーロ円をかなり大量に利益確定してしまった輩がいそうな状況で、架空通貨のユーロ円はユーロドルとドル円を買ってボリュームを稼いでいる可能性があることから「イエレン議長」の議会証言の前までに結構売り飛ばされてしまった可能性が否定できません。
確かに「イエレン議長」証言は利上げに積極的でではない感じ満載でしたが、こうしたタイミングが売りにうまいこと使われている雰囲気がしてならない状況です。
ユーロ円の売り飛ばしが完了してからドル円もユーロドルも相場はかなり落ち込んでおり、これまの上昇が一体なんだったのかと思わせる動きが継続中です。
まあ短期投機筋というのはこういう風に売り逃げするものなのだということを改めて感心させられますが、買い上げ部隊が不在になったわけですから、相場に迫力がなくなったのはいうまでもなく、ドル円にはマクロ系ファンドが多少の買いを入れているようですが、既に114円がかなり遠い存在になりつつあります。
いよいよ夏の停滞相場のはじまりか
来週以降になりますとさらに相場は参加者が少なくなりますから、典型的な夏の閑散相場が徐々に始まりそうな気配で、市場参加者が少なくなる分ちょっとした動きで大きく値が動くことにも警戒が必要です。
ユーロは既になにかの大きなお祭りのあとのような雰囲気でまるで元気がありませんが、結局「ECB」の利上げ期待などというのもそういう触れ込みで買い上げる輩がいるから上昇するわけで、うわさで動く通貨は誰かが相当仕掛けていることを意識する必要がありそうです。
ドル円に話しを戻しますと、昨日も何度か112円台の下を試していますが、どうも112.800円から下には何かがいそうな気配でそれ以上の下押しはできていない状況が続いています。
ただ、テクニカル的にいいますと112.400円レベルまで下げてもなんらおかしくはなく、上昇するためにもいったん下を試すことになりそうな気配が強まってきています。
結局無理して買い上げたつけが今になってでてきている印象が強い状況ですが、短期投機筋主導で、まさかここまでは上がらないでしょうというところまで無理やりやってしまうと、常にこうした調整が出やすくなるもので、十分にひっぱった戻り売りか押し目買い以外はあまり手を出しても儲けのきっかけにはならなさそうな雰囲気が強くなってきています。
為替相場の場合なぜここまで動くの?と不思議に思うような動きがでることがよくあるわけですが、結局のところそういう方向に動かしている投機筋が深く絡んでおり、しかも彼らは買った分は必ず売って逃げるのでどうしても相場は行ってこいになりやすい状況となります。
ただもう上がらないと見ると今度の多くの市場参加者が売りから相場に入り始めれることから、上値でも下値でもショートが増えてそれなりに「ショートカバー」が続出することとなり、こちらも上昇はしないくせに下値も妙に堅いという相場展開が続いてしまうのです。
この手の流れにはまってしまいますと、適当なレベル感から相場に参入してもまったく儲かりませんので、逆に遠いところに指値をして様子をみるといった動きのほうが正解になるのかもしれません。
今年も儲かっていない短期の投機筋は夏休みのまえにどうやらひと稼ぎ終えてしまった感がありますが、ここからはいよいよ史上最高値を更新中の米国の株価動向が夏に変化するかどうかが大きな注目点になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)