欧米の半期末ということになると この時期には不思議なフローも結構登場するものですが、26日のNYタイムで上のストップロスをつけて111.900円台まで跳ねたドル円はどうも自律的な円売りというよりはユーロドルのユーロ売りに支えられている印象が強く、東京タイムに112円台に復帰したものの、ここからどんどん上昇していく雰囲気が感じられません。
112円方向へ上申するならすんなり超えて欲しいと思うのが投資家の常ですが、どうもそれだけの明確な材料がない中で動いていることから、如何せん迫力のない相場が続いているようです。
梅雨の天気と同じで当分すっきりしないなかで売買を考えていくことになりそうで予想外に難しい相場状況になってきているともいえます。
したがって方向がわからないと思ったときには一旦休憩をしてみるというのも得策になりそうで、明確に動きはじめてからポジションをつくるほうがすっきり爽やかな取引になるともいえます。
NY時間帯になるとドル円はロングが優勢な状況に
どうも見ていますとドル円はNY時間帯になると比較的積極的に買われる傾向が強くなっており、経済指標が悪くて一旦下押ししても買い戻され、ロングが溜まりやすい状況が続いています。
東京タイムではそれほど顕著な動きにならないためショートも思ったほど溜まっていないだけにロングができすぎると結局その重みで下落してくることも考えられますから、ここからドル円をロングでついていくのもなかなか難しそうな状況になってきています。
債券金利と原油価格の推移を考えると下落もまだ考えられる状況
ただドル円は依然として債券金利の低下に大きな影響を受けそうな状況で、軒並み経済指標が悪化してさらに利率が下げるようなことになると大きな下押しに直面することも十分に考えられます。
また一旦下落が止まったかのように見える「WTI」の原油価格も40ドル台前半で下落が完全に止まったとは言い切れず、こちらも下落リスクはとまらない状況です。
円安要因が明確でない相場はかなりやりにくい
動きがあればついていくのが為替の習いではありますが、あまり高値でポジションをとってしまうと逃げられないことになりますし、突っ込み売りもかなり微妙であるだけに、こうした相場状況は想像以上に売買のしにくいものになってしまいます。
ただ、こうした動きは7月もそのまま継続する可能性が高く、当分儲けにくい相場が続く可能性も覚悟しなくてはならなさそうです。ここから30日にかけてはさらに月末独特のフローが登場することになりますので、予期しない形の相場の動きがでることには相当な注意が必要になりそうです。
しかし、米国の経済指標はどんどん弱いものが登場する始末で、どうしてこうした内容がでてきても「FRB」の幹部は一様に景気の回復を口にすることに自信をもっているのかいまひとつよくわからないものがあります。
単純に株式市場が史上最高値を更新している間に金利を正常化してしまいたいだけなのか、その真意はまったくよくわかりませんが、市場はかなり冷ややかで、もはや債券金利はまったく上昇しないほど「FRB」の景気見通しを織り込んでいないのが鮮明になりつつあります。
こうした乖離がいつまで続くことになるのかはわかりませんが、どこかで金利が上昇しはじめるといきなりとんでもない展開に見回れるリスクも高まりますから、膠着相場といっても気を抜けない時間帯にさしかかっていることは間違いなさそうです。
相場にはだいぶエネルギーも溜まり始めていますから大きな動きがさらに示現することを期待したいところですが、だいたい期待を異なる動きが出やすくなりますから、方向を断定することなく柔軟に売買を行っていくことが基本になりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)