標本空間が常に変化するFXの世界
FXの場合一週間ずっと111円近辺でドル円が推移していて膠着状態といってもその間にポジションを保有する投資家がかなり入れ替わることになるため、確率の世界でいうところの標本空間が変化してしまうことが先行きを占う上でも大きな障害になっていることは間違いありません。
アノマリーのほうが確率が高いことも
さて、それでは「アノマリー」は役に立つのかという話が浮上してきますが、「満月になると円高だ」といったほとんどどういう関連性があってそうなるのかまったく不明な話を別にすれば、8月になると米国の株価が低迷するとか、米国の大統領が代わって夏になると相場が大きく下押しするというような話は上述の標本空間が変化する理由から確率論で正確には表せないものの、なんらかの投資家行動を総合的に示唆している可能性は残されているといえます。
統計的に起こりえないことが起きるのが相場の習い
90年代後半、ノーベル賞学者などが結集してスタートしたLTCM(Long-term Capital Management)はあらゆる事象の確率を計算しまくり、発生確率の低い事象をすべて排除してポジションをとってみたところ、「アジア通貨危機」やロシア財政危機が起きるのをまったく予期できずにあっさり破綻することとなてしまいました。
プライスアクションからなんか相場の雰囲気はわかるもの
ここ数年、暴落のタイミングにFXのチャートをつぶさに眺める機会に恵まれることができました。