アメリカの雑誌、バロンズによると、今年はフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルを買っておかなければいけない年だったと5月くらいに書いています。このことを「FANG相場」と言います。
FANG相場というと
古い方だとネットバブルであった日本のヤフーなどだけが高かったことを思い出す方も多いと思います。また、古くはブルーチップバブルなどのバブルを思いだす方も多いと思います。
これらの相場の特徴というのは、ある特定の銘柄だけが、上昇し、そのほかの銘柄はほとんど上昇していないという、特定銘柄だけにかたよったバブルというのは歴史上、何度もあります。
また、最近のネットでの配車サービス、ウーバーによるセクハラ、人種差別問題も、バブル期の特徴です。過去のバブルでは上場企業の不正や詐欺なども多発するのがバブル期の特徴になります。
ただ、こうやって私がバブルというと、こんな程度をバブルとはいわない、と言う方も多数いると思いますが、今、現在の景況感と株価は全く一致していない、ということは確かだと思います。
私は、2015年の日本における株価の異常高騰を「アベノミクスバブル」といいましたが、物価が下がり続けているのに、株価は高騰という、あり得ない状態が半年も続きました。
経済の実態を反映していない株価をバブルというのが私の解釈で、バブルの解釈というのは諸説あり非常に判断は難しいものだと思います。
今のアメリカ経済
経済指標には、先行、一致、遅行指数の三種類があることは散々、お話をしています。
このうち、マーケットにとって重要なものは設備投資や住宅、日銀短観、IMF指数などの景況感であると言っています。現在のアメリカは、この景況感指数や、住宅、設備投資が低迷をしており、物価などは一致指数、そして、労働市場や賃金などが遅行指数になります。
現在のアメリカ経済は、この先行の部分が低迷しているから、これから軽いリセッションに陥るのは誰でもわかる話なのに、アメリカ経済は絶好調とかいう輩が非常に多いのが不思議になります。
つまり、これからのアメリカ経済は軽い、リセッションに入ります。この景気低迷期にやるのは、間違いなくドルの切り下げです。「リーマンショック」直後にドルを切り下げて、2013年にも切り下げています。これはアメリカ経済が軽いリセッションに入ったから行うもので、前回は「FRB」を中心に行いましたが、今回はトランプ大統領中心にやる可能性が高いと思います。
最近は雇用が、遅行指数という認識を改めなくてはならないような状態で、結構、早く景気に一致するような状態であることも勘案しなければなりません。
FANG相場はまだ、バブル期入りではない?!
では、すでに「FANG銘柄」は高値水準なのか、と言われれば違うというのが現時点での認識になります。おそらくこれからが本番になるであろうと思います。
このドルを切り下げたときに買い場になるのではないか、と思っています。ドルの切り下げの話は、散々、今まで話をしてきましたので、割愛をします。でも、みておかなければいけないのはユーロドル相場ないしは、ポンドドル相場になります。
この2つの通貨ペアが上昇するときはドル安に向かっているということです。間違えてはいけないのはドルインデックスをみても仕方ない、ということです。
日本株では東京エレクトンをみておくといいでしょう。押し目は買いです。今後、予想されるのは雇用統計などがありますが、注目はトランプが中国にむけての猶予期間100日、北朝鮮制裁に関する問題が7月上旬に迎えます。おそらく、現時点では、中国は何もできないであろうと思います。
そうなると、アメリカと北朝鮮との間に相当な緊張が走ると思います。もちろん、中国は対立を激化させないような行動を取ると思います。おそらく、4月にもここで記したように、北朝鮮侵攻は不可避な状態にあると思います。この北朝鮮攻撃に関してはトランプの支持率をみておくとよいでしょう。
また、トランプ政策でボルガールールの緩和ということを、アホな人たちが、トランプ政権の行き詰まりなどいいますが、全く違う解釈をしておかなければなりません。このFANG相場の支援と考えなければいけません。いよいよバブル相場に年末には移行するでしょう。
アメリカがバブルになるのであれば日本の株価は、上昇しますが、為替は「アメリカ>>日本」になりますので円高です。過去のネットバブルやリーマン前の住宅バブルなどをみてください。円高にしかなりませんよね。その上、原油価格が下がれば、日本は再び「デフレ」です。「デフレ」の国の通貨は高いのが定石です。
(この記事を書いた人:角野 實)