いよいよ6月も最終週に突入しますが、例年欧米勢にとっては半期の決算にあたるこの6月末は米国の株価がさえない時期になることから、相場全体がそれに引きずられることが多く、大幅下落とまではいかないものの、それなりの下押しをする一週間になるリスクを意識しておくことが必要になりそうです。
さらに原油価格が一段安ならドル円も下押しか
19日からの週のドル円は 驚くほど狭い値幅で上下しスキャルピング以外には利益を得ることができない厳しい相場でしたが、枚数を増やして少ない利益でせっせと稼げばそれなりの金額が稼げる非常にリスクの少ない相場で、市場の嘆きとは別に格好稼げてしまったという方も多いのかも知れません。
実は「
ボラティリティ」が低く規則正しい相場状況というのは初心者にはもっとも都合のいい状況で、ゆるい球だけで延々とテニスや卓球をしているのと同じでリスクが少ないことから損もしないで済む相場になっているのです。
ただこれをずっと繰り返しているとどこかで相場変動があったときにやられることになりますから、終わりの見極めをする必要があるのはいうまでもありません。26日週は引き続き「
WTI」の原油価格の動きが気になるところです。
ここまではドル円も大きな影響は受けていませんが、半期末に加えて株式相場がこれを嫌気して調整が進めばドル円もかなり上値が重くなることも考えられ、一時的に110円台に調整する可能性は高くなりそうです。
半期末決算では特殊なフローが登場するのにも注意
本邦系企業にとっては6月末は通常の月末締めに過ぎませんが、欧米系企業とくに米系企業はカレンダーイヤーがフィスカルイヤーとなっているところがほとんどであることから6月末は日本の9月末決算にあたる重要な時期で、レパトリも含めてこれまでにないフローがでることが多くかなり注意が必要になります。
もっともこの時期顕著な動きをするのがユーロドルで「
London Fix」の時間帯になるとユーロが非常に買われるという動きがでることがあります。
これはユーロポンドなどにも出る動きで本当に午前0時の30分前ぐらいからの特別な動きだけですが東京タイムの仲値と同様に一時的に動意づくことが多くなりますので、うまく流れを見極められればちょっとした小遣い稼ぎもできる状況です。
市場参加者は驚くほど少なく閑散相場
半期末が近いので余分なことはしないのが欧米勢の足元の動きなのかも知れませんが、とにかく為替の世界では市場参加者が減っているのが気になります。
参加者が少ないから無風という見方もできますが、突然大きなフローが持ち込まれるとそれだけで相場が必要以上に動くこともあるので、逆に結構危ないこともあるのです。
こればかりはさすがにいくら事前に注意してもわかることではありませんが、「
London Fix」近辺では相当気にしながらトレードする必要があります。
ドル円は全体として下落するかもしれないと思っているトレーダーが多いのか相場が下がり始めると一斉にショートが増えて、動かなくなるたびにそれなりの「
ショートカバー」がでていますが、それでも何があってもショートを持ち続けている層も結構いるようで、この「
ショートカバー」も驚くほど上昇する動きにはなっていません。
今後米国の金利の上昇でドル円が上がるとしてもいったん下押ししたほうが上昇しやすくなるということも考えられますので、下がれば今度は買い場を探すことになりますが、夏の米国株式市場にそれなりの大きな下落がやってくるのかどうかが非常に気になるところで、下値でどう逆張りするかも考えさせられます。
ただ、それなりに身構えている人たちが多いと下落というのは意外にしないものですから、結局下落があっても8月になるのかも知れません。
本来ならば下落を狙うよりは下がりきったところで参入するのが基本なのかもしれませんが、為替にとっては下落で利益をえることは非常に効率的な売買になるため一度やると忘れられない部分があり、なんとかご相伴にあずかりたいのが正直なところです。