今週は重要指標もなく、もっぱら債券金利と株価、そして要人発言だけに振らされるドル円相場ですが、ショート目線で戻り売りをする市場参加者が多いことからどうしても担ぎ上げられがちに見えたものの、111.800円もそう簡単には抜けることができず、ざっくりとしては112円から111円のレンジ相場の中で毎日もみあいを続けているというのが実情のようです。
Fedの資産縮小にはほとんど反応しなくなった債券相場
相場の状況を観察していますとドル円は依然として米国10年債利回りに連動して動いていることがわかりますが、昨日ダドリーNY連銀総裁の発言に連動する形で金利が上昇はしたものの、その後は長く続かずNYタイムで株価が下落したことも手伝って結局金利は低下すると言う動きとなっていることから、明確に上昇しようとしているようにも見えないかなり微妙な状況となっています。
こうなるとさすがに手がかり不足ということで、当分足元のもみ合いを続けながら次の展開を待つことになりそうな気配です。
プライスアクションに注意しながら取引することが重要
どうも上昇しそうでありながら、そうでもないというはっきりしない相場展開が連日続いているドル円ですが、「FOMC」を通過してもさらに混沌とする相場は予想外で、なぜ株も債券も明確に反応せずにランダムに勝手な動きを継続しているのか、いまひとつその理由がよくわからない状況です。
この段階ではいくら詮索してみてもほとんど回答を見つけることができませんので、とにかく相場の動きをチャートから見出すことが一番の材料になりそうです。
とくに直近の相場はじっくり見ていますと、そのプライスアクションから上昇の強弱がかなり感じられますので昨日などでも大きく上がりそうでははい感じというのが相場の動きからかなり感じられるようになってきています。
短い時間足ではとくにそうしたものがわかりやすくなってきていますので、こういう機会にプライスアクショントレードが上達できるように神経を集中させてみるのもひとつの手になりそうです。
半期末の特殊需要にも注意が必要
6月末は欧米企業の半期末にあたることから特別な決済需要がでることも多く、ドル円でも月末にむけてこうした需要の影響を受けることになる点は注意が必要です。
基本的にはこうした需要がもっとも多く現れるのは ユーロドルですが、ユーロ円もそれに引きずられることになりますからドル円が思わぬところで上昇する可能性はつねに考えおくべきです。
とくに東京タイムというよりは「
London Fix」においてこうした傾向が非情に強くなりますので、逆にこれを逆手にとってユーロ中心で売買するということもひとつの方法になりそうです。
この先相場には必ず大きな調整が起きる
足元ではFedからのメッセージに対してまったく市場が応えていない不思議な相場が継続中ですが、この状況がかならずどこかで大きく修正されることが予想されます。
それがどのタイミングで示現することになるのかは依然としてよくわかりませんが、長く相場にいる市場関係者によると2000年のITバブルの終焉にかなり近い相場の印象になってきているという話も出回りはじめており、一旦FANG株で大きな調整を示現させた相場がすでになにかを警告していると捉える向きもかなり多くなってきているようです。
暴落に備えて四六時中ショートのポジションだけつくるという話は現状ではナンセンスすぎますが、6月を過ぎるとさらにこうした状況に備えていく必要がでてきそうです。
ドル円については金利の上昇から一旦上に上がったところで株価が変調をきたして下落することをシナリオとして考えましたが、まだ本当にそうなるかどうかははっきりしないところも多く、とにかくここからは相場の変化を見逃さない努力を続けていくしか適切な方法はなさそうです。