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フリンが議会協力すると一体何が飛び出すか?

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トランプが関与していると噂される「ロシアゲート」の問題は、全容がよくわからないだけに誰が何をおこなって何処に最大の犯罪性があるのかさっぱりよく理解できない状況が続いていますが、すでに2月に辞職して政権を去った「マイケルフリン」が議会で証言することになるのかどうかに注目が集まり始めています。
為替の取引をするだけなのに、こんな人物の行状まで詳しくならないとトレードにならないというのも困ったものですが、現実の問題になってきているわけですから仕方ありません。今回はこの「マイケルフリン」についてフォーカスしてみることにします。 

そもそもマイケルフリンなる人物とは?

この「マイケルフリン」は元々軍人であり、陸軍中将を勤めた人物です。米国の大統領選ではいちはやくトランプ支持を打ち出し、トランプが掲げた外交政策にスティーブンバノンとともに大きな影響を与えた人物といわれています。

とくにイスラム教を異常に敵視することでも知られた人物で、イスラム教を「癌」と呼び、イスラム教徒に脅威を感じるのは「当然のことだ」と早くから発言し、イスラム教に対する恐怖心と嫌悪を駆り立てた人物ということになります。
フリンのイスラム嫌悪は、トランプの公約となった「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止」にぴったりと合致するもので、ここだけ見てもトランプにかなり直接的に影響をあたえてきた人物であったことは間違いありません。

ロシアやトルコ政府と多数契約を交わしていた?

フリンは国際コンサルティング企業「フリン・インテル・グループ」を経営してきており、フリンの息子もこの会社で父親の補佐役をしているといいます。

顧客の中にはトルコの「レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領」と強いつながりを持つ人物も含まれており、ロシアともかなりのコネクションをもっていることは間違いないようです。
アメリカ国防総省によると、フリン氏はロシアやトルコ政府の関係機関などと多くの契約を交わしていたようですが、連邦政府に事前にこうした契約のことを明かした形跡はまったくないといわれています。
もともとフリンが辞任に至ったのは、ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と電話で密談したという報道を否定していたにも係わらず、2月9日にワシントン・ポストが密談があったという証言を報じると、それまでの主張を一気に撤回し、虚偽の報告をしていたという理由で2月13日に大統領補佐官を辞任しています。
大統領補佐官に任命されてからロシアなどとどのような密談を交わしていたのかも判っていませんし、そのまえに国際コンサルタントとしてトルコやロシアの重要人物とどのような契約があり関係があるのかも判っていないというわけで、早い話がロシアとの接触の中身はなんだか全くわからないというのが実情のようです。

議会からの召還を拒否

このフリンは足元では議会からの召還を拒否しています。また合衆国憲法修正第5条の権利(黙秘権)を行使していますが、そもそもコンサルティングを実施した企業が行ってきたことだけにこの黙秘権は行使できないといわれています。

フリン自身は訴追免除があれば議会にでてきて話をすることもやぶさかではないと話をしているようですが、果たしてなんらかの真実が彼の口から白日の下にさらされることになるのかどうかが非常に注目されることになりそうです。
FBIのコミーと違うのはこの人物がきわめてトランプに近い存在で、トランプの政策に重大な影響をあたえてきたということで、ロシアとなんらかの密約をしていたことが明らかになった場合、それにトランプが関与していたことが飛び出すのかどうか、またそれを決定的に裏付ける証拠が出てくるのかどうかあたりがこのルートでの疑惑解明の大きなポイントになりそうです。
現時点で見ますと相当様子のおかしい話ではありますが、犯罪性の決定的な証拠もでてきていないということで、一般的には相当大きなリスクではありますが、これがトランプ辞任や弾劾の決定打になるかどうかまでは判断できないというのが正直なところではないでしょうか。
とはいえ噂で売られやすい為替市場はこの話のディテールが登場すれば一時的にかなりドル円が売り込まれることだけは覚悟しておかなくてはならないようで、いつどのように飛び出すかわからないリスクネタとしては非常にトレードに迷惑な材料となってしまっています。
(この記事を書いた人:今市太郎
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