25日に米系のメディアが複数報じたところによるとロシアゲート関連でトランプの娘婿であるクシュナーがその捜査対象となっていることが明らかになり、市場はまたしてもトランプリスクに揺れ始めています。
今年の3月以降クシュナーはかなりトランプ政権で重要な役割を担いはじめており、保護主義的国家主義者として有名であったスティーブンバノンも政権の中枢から外した存在であるだけに、来週以降コミー前FBI長官の発言などでクシュナーが疑惑の存在として明確に浮上することになると、またまたトランプ政権はかなり窮地に追いやられることになりそうで、注意が必要です。
ジャレットクシュナーとは?
Photo Reuters
ジャレットクシュナーは言わずと知れたトランプの娘イヴァンカの旦那ということで1981年生まれの36歳、ニュージャージー州出身で、ハーバード大学を卒業後ニューヨーク大学でも法学博士号を取得した秀才です。
イヴァンカが身長180センチでかなりでかい存在なのは有名ですが、クシュナーはさらに背が高く身長194cm、トランプの190cmをさらに超える背の高さであることも語り草になっています。
クシュナーのビジネスは親のチャールズクシュナーの不動産業を継ぐところからスタートします。ハーバード大学に在籍中にマサチューセッツ州ソマービルにある建物の売買で2000万ドルの利益を得ています。
また2007年の「リーマンショック」前にはバブルの終わりを予測してか、クシュナー家の株式の売却を進言し、この時は10億ドルの利益を出し大きな損失を免れているのです。
その後も、ニューヨーク市の5番街にある666ビルを18億ドルで購入するなど不動産業としてはトランプに勝るとも劣らない才覚を発揮している存在といえます。
まさに理想の娘婿であることはトランプにとっては間違いないようで、トランプに対してストレートに意見のできる数少ない存在ともいえるのです。トランプの大統領選では途中でかなり混乱を招いた選挙戦を一手に仕切りなおし、見事トランプを勝利に導いたキーマン的存在としても注目されています。
クシュナーが捕まると政権は大打撃
クシュナーはトランプ当選後の昨年12月、フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)とともにニューヨークのトランプタワーで駐米ロシア大使と会談。
欧米が制裁対象としているロシア国営の対外経済銀行(VEB)の頭取とも面会したと報じられており、足元ではまだ決定的な疑義が浮上したわけではないとされています。
ただし、捜査当局はクシュナーが疑義に関連して重要情報をもっていると見られることに関心を寄せていることだけは事実のようで、一体どのようなかかわりとしたのかは依然不明ではあるものの、義理の父親に代わってなにか動きを見せたことも容易に想定できる状況です。
コミー前長官の議会への登場は延期となっていてここからどうなるのかはいまひとつよくわかりませんが、コミーの口からクシュナー疑惑が出るようなことになりますと、かなり問題が大きくなることだけは間違いなさそうです。
以前にもこのコラムで写真をご紹介していますが、クシュナーは足元ではトランプ政権の中枢中の中枢にあり、ムニューシンとも非常に親しい存在とされています。
あらゆる外交的な問題でも積極的に政権に意見をしてコントロールをしているようで、いまやトランプにとっては欠かすことのできない存在となっていることは間違いありません。
この視点でこのシリアにミサイルを撃ち込んだあと政権スタッフがあつまって映像に見入っているこの写真を見てみますと、その存在感の大きさにあらためて気づかされる次第です。
どうもドル円は当面スキャルピング以外では長くロングを持たないほうがかなり安全な雰囲気になってきているようです。月曜日は米国は休日となりますが30日以降はかなり気をつける必要がありそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)