週明けの月曜日、ドル円はどうもはっきりしない動きをしており、東京タイムでも113円に到達することは全くなくロンドンタイムへと相場を引き渡す始末で、殆ど上値は追わないのかに見えました。
これは多くの市場参加者にも113円台から上の上値が思いという印象を与えたようで、112.800円あたりかた売りをはじめたトレーダーが多かったのか、その後もじりじりと値を上げる展開になりました。
早朝5時には113.286円まえ上昇したドル円は、その後も買いが引かない状態で、このまま113.500円をトライする動きになる可能性も高そうです。
売りあがりを食いつぶす毎度おなじみのじり高相場
毎回このコラムでもご紹介していますが、多くの市場参加者が売りあがりといって徐々に値があがる相場の高値で売りを続けていっても相場が上がり続けますと、売った人間の「ストップロス」がついてさらに相場が上がるという状況がよく見られます。
逆張り大好きな本邦個人投資家がこうした相場に絡むケースが多くなりますが、投機筋や「インターバンク」などは必ずストップロスを入れていますから、相場が持ち上がってしまうとそのストップがついてさらに相場がじりじり上昇するという悪循環が始まってしまいます。
東京タイムになっても113.270円近くまで持ち上がった相場が下がらないのは、本邦個人投資家がストップをいれずにそのままホールドしているポジションを相場が下落しはじめると、次々決済し始めるからで、112.800円レベルまで並ぶ売りの決済が延々と出てしまうようでは、相場が下落しないのも当たり前ということになってしまいます。
気がつくとドル円相場というのは結構頻繁にこうした動きになることが多いわけですが、じり高になって相場が下がらなくなったらその裏側でこんな投資家の動きがでていることを想像すると次にどうなるのかを想定しやすくなります。
大きな下落要因がでると一気にはけることも
このようなじり高相場でも大きな下落要因が出てしまいますと積みあがったショートと関係なく相場が大きく下がることがあり、いきなりショートの損切りできなかった部分が解消することももちろんあります。
また逆にさらに上に持ち上がると強制ロスカットの対象となる個人投資家のポジションが決済されはじめて、高値から大きく相場が持ち上がるといったことも見られます。
ここからのドル円は上値に本邦実需の売りが待っている
ゴールデンウイークにほとんどつかなかったドル円の上値のリーブオーダーは今週から値を下げるなり、成り行きで売り注文がそれなりに出始めることになるため、そう簡単にはドル円も上昇することができないものと思われます。
まず一つ目のポイントとしては「113.500円を抜けられるかどうか」で、これまでこのレベルは何度となく下落が止められてきただけに上値での抵抗ラインとなることが予想されます。
これが抜けてもさらにその上の113.800円レベルにもう一本抵抗ラインがありますので、この二つをうまく抜けられれば114円以上の上昇が見込まれそうです。
逆にここでブロックされても下値では連休中に買えなかった輸入の「実需」や生保などの機関投資家が待ち受けているようですから、112円を割れるような大きな下落も期待することはむずかしそうな状況で、意外にレンジ相場が形成されてしまう可能性もあります。
依然として、下落したところは押し目買いで望めばそれなりの利益はとれそうですが、利がのったらあまり我慢せずに確実にリカクして積み上げていくつもりで対応するのがいいのではないでしょうか?
ドル円は上昇するとすれば6月の「FOMC」前にピークをつける可能性が高まることと思われますので、まだロングでも利益を得ることはできそうな状況です。
(この記事を書いた人:今市太郎)