今週ドル円は月曜日早朝にフランス大統領選挙の第一回目投票の結果を受けて大きく窓を開けてスタートしています。ただ、その後月曜日のNYタイムにかなりドル円が売られる形となったために空いた窓の一部分は閉めにいくこととなりましたが、正確にはまだすべての窓は埋まっていない状況です。
この窓埋めは結構期待して売りで待つという投資家も存在するのですが、絶対に短時間で埋めに行くという保証はどこにもなく、あまり期待しすぎるのもかえって大きなリスクを抱えることになるので注意が必要となります。
まさに窓が埋まるかどうかは実にケースバイケースとなることをあらかじめ理解しておく必要がありそうです。
上記のドル円1時間足のチャートを見ていただくとわかりますが、金曜日のNYタイムの終了時は109.12円レベルで終えていますので、フランスの大統領選の結果を好感してまず24日の早朝に大きな窓が開く形となりました。
FX業者によっては朝4時からスタートするサクソバンクのようなところもありましたから、最大で開いた窓は110.620円レベルまで開いたところもあったようですが、午前7時からスタートしたFX業者ではほぼ110円をちょっと超えたあたりからスタートすることとなったようです。
その後NYタイムや翌日25日の東京タイムのスタート直前段階で109.600円レベルまで下押ししたため、25日の夕刻段階で埋められていない窓はほぼ40~50銭程度まで縮小している状況です。
トレンドを伴う動きの場合窓は簡単に埋まらない
この窓が開く理由というのが埋まるかどうかに、結構大きな影響を与えることになるわけですが、トレンドがでて大きな幅の動きを示現させた場合には、ほとんどの場合窓は相当な期間埋まらずに推移することが多くなります。
たとえば「経済指標」や「中央銀行」の政策決定など上昇や下落に大きな材料が伴っている場合には短期に埋まることを期待することは出来ません。
ただ、今回の窓空けの場合にはユーロの上昇にあわせてユーロ円が押し上げられたのにつられてドル円も上昇していますので、本来ならばしっかり埋めに行ってもおかしくはない状況といえます。
足元のドル円はショートが溜まりすぎで下がらない
トレンドが出ているわけではない場合は窓を埋めることが多いと書きましたが、足元のドル円はどうやらショートが溜まりすぎたようで、一旦下落して元に戻らないように見えた110円台に載せてくるという動きが明確になってきています。
こうなると短期間にこの残された30~40銭程度の窓をすぐに埋めにいくのはどうも難しそうな状況にみえます。一般的には窓が開くと投機筋が好んで仕掛け的に埋めにいくことが多いのですが、今回はほかの材料がでて大きく下押ししないかぎりはどうも簡単に埋めにいくことにはならなさそうです。
月曜日早朝に取引できる業者の口座を持っていると利益獲得機会も
今回のフランス大統領選挙は午前3時ぐらいから動きがでていましたが、日本国内に拠点を持つ業者ではサクソバンクが午前4時から取引できていますので、完全に窓を埋めたわけではないものの東京タイムに109.800円レベルまで下落したところで70銭から80銭程度の利益を獲得することができています。
また午前6時から取引ができる「JFX」や「ヒロセ通商」、ならびに海外FXの「XM」などではなんとか110円30銭ぐらいで売ることができています。
もちろん売ったから確実に下がると決まったわけではありませんが、月曜日の朝に何か特別なものがでるような相場のときにはこうした特別な時間帯から取引のできる業者に口座をもっているというのもひとつのやり方になりそうです。
年間を通じてめったにチャンスがあるわけではありませんが、こんな細かな手を使って売買を出し抜くというのも面白いやり方です。
(この記事を書いた人:今市太郎)