日米経済対話で為替の話がでればまた円高か

Photo Reuters　日米首脳会談時におけるペンス、浅生両氏

いよいよ18日から日米経済対話が開始され、ペンス副大統領とともに保守主義派の重鎮である「ウィルバーロス」商務長官も日本に乗り込んでくることとなるため、その対話で話あわれる中身が非常に注目されています。

ペンス副大統領はグローバリストのひとりであり、バランス感覚あふれるタイプといわれていますが、問題は同行してくるウィルバーロス商務長官で、この人物はピーターナヴァロとともに政権内に残されたかなりのタフネゴシエーターであるだけに「貿易赤字」の問題から為替にいたるまで突っ込んだ要求をしてくる可能性が高まっており、関係者も神経を尖らせている状況といわれます。

トランプのWSJインタビューも妙にタイミングを合わせた掲載

先週トランプ大統領が「ウォールストリートジャーナル」のインタビューに答えて、ドルは強すぎるとしたこともこの日米経済対話に暗い影を落とし始めているようで、なぜこうしたタイミングにWSJにドル高をけん制する記事が載るのかも詮索したら切りがない状況です。

トランプ政権は発足前から挙げていた公約をほとんど果たせる可能性がないままに100日を過ぎることとなり、ここからも減税やインフラ投資実現の道がかなり険しいだけに、実務的に成果をあげられる部分により尽力する方向にシフトを変えてくるものとみられています。

それだけに中国には言いにくいい話も日本をターゲットとして勧めてくるリスクはかなり高く、今回の対話をきっかけにして日本政府はかなり厳しい対応を迫られる可能性が高まっているといえそうです。

一部の米国側関係者の発言では、この会合で為替の話がでることは避けられないという見方もでているだけに状況は深刻です。

共同会見で米側が為替を口にすればドル円は下落か

ここで市場が注目するのは会見の内容ということになります。さすがに詳細を語ることはないと思われますので、内容が詳らかになるのはもっと後の話になるであろうことは容易に推測できますが、あえて米国側から為替について注文をつけたような話が会見上でリークされれば当然ドル高けん制の話と受け取られますのでドル円は円高方向に動いていく可能性が高まります。

折りしも北朝鮮リスクで105円方向への下落が危惧されている時期ですから、こうした材料がさらにドル円の下落を加速するリスクも意識しておく必要がありそうです。

麻生財務大臣は一時120円を超えたわけではないのだからといった発言を国会でも行っており、あえて120円が目途であることを示唆したのではないかという憶測も飛び交いましたが、現状では年初の118.60円レベルが最高値で、今年も昨年同様21円程度の値動きがあるとすれば、99円以下のレベルまでドル円が下押ししてもおかしくはない状況です。