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市場は「イースター休暇」に入り欧州勢はお休みとなっていることから開店休業状態が続いていますが、15日の金日成生誕105周年には何かが起こりそうな気配であり、なんとも心もとない先行き不安相場は継続中です。
確かに核弾頭の部分にサリンを載せて発射可能な能力をもっているなどと言われますと不安はつきない状況になりますが、ついこの間まで食糧事情が悪く餓死者も多数出るなどといわれ続けてきた北朝鮮は、足元ではかなり改善が見られるとはいうものの、いつからミサイルをどんどん飛ばせるほど資金が潤沢な国になったのかはかなりクビを傾げたくなる状況です。
GFPの軍事力ランキングは35位でかなり低い存在
Photo AFP
グローバルファイアパワーという機関が発表している直近の軍事力ランキングで北朝鮮は35位と1位の米国、9位の韓国、10位の日本と比較してもかなりレベルの低いところに位置しており、現実的にはミサイルにかなり依存した戦いをしかけてくる国ということがいえそうです。
地上の兵力は120万人でほとんどが陸軍で戦車は4300両、空軍は戦闘機が820機と日本や韓国の倍近く戦闘機だけは保有しているようです。
また男性の市民はほとんどが兵役についていることから、退役軍人は500万人以上存在するようで、地上戦ということになれば、地続きの韓国にとってはそれなりの脅威をもった存在であることは間違いないようです。
とくにソウルは38度線からたった40キロに位置する街ですから、戦闘がはじまればかなりリスクが高くなり、ミサイルが飛んでくるのとはまた別の脅威が高まることになります。
たとえ戦争になっても長々とは続かない可能性も
米国が北朝鮮に仕掛けた場合どのような戦争になるのかがいまひとつ想定できないため、迂闊なことはいえませんが、ミサイルの数も戦力全般もかなり限定的な北朝鮮の場合、今回の武力衝突がきっかけとなって韓国との戦争という事態が勃発したとしても長期戦になることはあまり考えられないものと思われます。
戦争の開始段階で大きく相場が崩れても、意外に早期に買い戻しが進む可能性も視野に入れておかなくてはならないようです。
もちろんミサイルが日本に飛んできて原発が壊滅的ダメージを受けるなどという考えたくないような事態まで起きてしまった場合は話は別ですが、地上戦が展開された場合にはかなり短期間に決着がつくのではないでしょうか。
韓国が巻き込まれた場合には極度のウォン安から円高も覚悟が必要
Photo AP
直接的に日本が係わらない場合にはやはり円高は必須となりそうですが、ひとつだけ注意しなくてはならないのは韓国のウォンが極度のウォン安になって売られた場合には、対円で円高が異常に進むことからドル円も円高が想像以上に進行してしまうリスクを考えておかなくてはなりません。
これは実際2008年の「リーマンショック」のときにも同様の事態に直面していますので、対ドルでの円高というよりもウォンとの絡みでの円高が起因してドル円の円高は十分に考えられそうです。
さらに「資源国通貨」もこうした事態では売られやすくなることから、ドル円はあらゆる条件で円高に進みやすくなりそうです。
この週末に予想していたような危機的な状況が見られず、なにも無ければ週明け一旦ドル円も買い戻しがでるものと思われますが、まだこうした北朝鮮起因のリスクは継続することになりますから、当面ドル円の戻りは、しっかり戻ったところでは売りで対応することが賢明になりそうです。
来週は18日に日米経済対話が開催され、米国からは商務長官の「ウィルバーロス」も来日しますので、最初からかなり厳しい話になることが予想され、これだけでもドル円は改めて円高になることが危惧されます。
もはやここからは111円台後半に戻るのもかなり難しそうですが、「ショートカバー」がでたときにはしっかり売り向かっておくことでまた利益にありつけそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
