7日、ドナルド・トランプ政権のホワイトハウス報道官兼広報部長であるショーン・スパイサーがツイートして公開したフロリダでのトランプ政権のいわゆるWar Room、日本語で言えば戦闘戦略室の写真が話題になっています。
一見するとトランプを囲んで周囲に政権の要人が座っているだけに見えるこの写真ですが、よくよく見てみますとこの座りの順番と位置に大きな情報が隠されていることがわかります。
マイアミでの米中首脳会談の真っ最中にこれだけの政権の要人が押しかけてシリア攻撃の状況を確認しているわけですから、まずそれも驚かされますが、この写真で問題となるのは要人の座りの場所と順番となるわけです。
クシュナーがテーブルの真ん中でバノンは端に着席の構図
Photo White house /BBC
トランプを囲んで向かって左サイドにペンス副大統領、ムニューシン財務長官、ロス商務長官が着席していますが、なんとそのセンターにイヴァンカの旦那であるクシュナーが着席していることがわかります。
一部の報道ではこのクシュナーが国家主義者として名高いバノンを放逐したのではないかといわれていますが、まさにそれを象徴するような座りの順番になっていることがわかります。
トランプにもっとも近い影の大統領といわれたバノンは入り口の扉のそばにこじんまりと座っている姿が映っています。
NSCの人事を掌握したとされる軍人のマクマスターもクシュナーのカウンターに座っており、トランプの横にはここのところアジア各国、欧州、ロシアと根回しに回っているティラーソン国務長官も座っており、この軍事行動に関して誰がイニチアチブをとっているのかがかなりわかる状況です。
また政権移行時におけるイヴァンカのアドバイザーを務めたパウエル女史の姿も見えており、政権が一時かなり保護主義派によってハンドリングされていたのをグローバリストとイヴァンカの娘婿がイニシアチブを取り返していることが強く窺える写真となっています。
こうなると当初保護主義派主体で次々と飛び出したトランプの大統領令などもここからは変化することが考えれます。
ロイターの7日の報道では、プリーバス大統領首席補佐官やバノン首席戦略官兼上級顧問をトランプが正式に更迭を検討しているともされており、完全に政権からバノンがいなくなることはどうやら間違いない状況で、入国制限もメキシコ国境の万里の長城も実現に至らずに頓挫し始めている背景がよくわかります。
政権内グローバリストの連中は北朝鮮攻撃をどうするのか?
今回のシリア攻撃は必ずしもトランプが指揮をとって実施されたものではないとされており、どうやら実際のところは実施の手はずが整ってトランプはエンドースしただけという見方も強まっています。
シリア側がどのような報復にでるのかが気になるところですが、今週金日成生誕105周年にかこつけて、またしてもICBMの打ち上げを実施するのではないかとされる北朝鮮に対してこの政権がどのような措置をとるのかが非常に気になるところです。
フリンの後任となったマクマスター陸軍中将はバリバリの軍事であり1991年の湾岸戦争でイラク軍の戦車部隊を壊滅させ、2003年のイラク戦争後は現地の治安部隊を率いた経験の持ち主であり、北朝鮮攻撃があるとすれば政権内で戦争を絵を描くことのできる最大のケイパビリティの持ち主ということになります。
果たしてこの政権でイニシアチブを取り返したメンツで北朝鮮を本当に攻撃することになるのか、あるいは核施設よりも金正恩の命を狙うのかが非常に注目されるところで、この攻撃が成功するか失敗するか次第てわが国への北朝鮮の報復攻撃の可能性も浮上することから気の抜けない時間が続きそうですし、うわさの段階で為替が大きく動くことも視野に入れておかなくてはなりません。
(この記事を書いた人:今市太郎)