いよいよ3月も最終週に入り日本は年度末を迎えることになることから、いつもとはちょっと違う市場環境になりそうで、今週のトレードはそれなりの注意が必要になりそうです。
まずは年度末ならではのフローの登場に注意
大方の本邦上場企業は「レパトリエーション」というドルから円転して国内の本社に送金をするという作業のほとんどは2月中に調整済みのところが多い状況ですが、決算対策で微調整をするのがこの3月最終週となりますので、思わぬフローが登場することに注意が必要です。
もちろん東京タイムでもある程度がでることになりますが、海外からの円転になりますから東京タイムの仲値よりもロンドンタイムのはじめや「London Fix」にまとまった額が飛び出してきて思わぬドル円下押しとなることにも注意が必要になります。
また東芝やタカタのようにわけのわからない費用をドルで支払わなくてはならない会社もないわけではありませんから、決算の数字を睨んでドル買いをするなどというレアケースが登場することもありうることだけは注意が必要になります。
海外勢にとっては第一四半期末
また海外勢も2017年の第一四半期を終えることになりすので、ドル転での送金のためのレパトリというものも登場する可能性があり、特に欧州時間以降に注意が必要になります。
こうしたレパトリは海外勢はぎりぎりの29日や30日、31日といったタイミングのロンドンタイムにいきなり持ち込んでくることが多くなりますから、それまでと急に動きが変わったときには一旦様子を見るなどの対応をすべきです。
また今週から欧州勢も夏時間に復帰してきますので「London Fix」が午前0時と1時間早くなることにも注意が必要になってきます。
2月や3月の「London Fix」を見ていますと、結構本邦系企業のレパトリと見られるタマもいきなり「London Fix」にむけて登場している気配濃厚ですので、こうした時間帯の前後30分ぐらいは何が飛び出してきてもいいように準備をしておくことが必要となりそうです。
本邦のインターバンクも機関投資家も微動だにしない一週間
3月最後の一週間というのは、銀行系も生保などの機関投資家も決算の内容を大きく変化させないようにできるだけ余分な取り忌避をしないようにしているのが基本となりますから、東京タイムも仲値の必要決済需給がある以外はほとんど動かなくなります。
一方週後半になりますと事実上の4月相場となりますから、多少のドレッシング買いがでたりして動意づくこともあるので、こちらも注意が必要です。
機関投資家は基本的に4月後半以降でないと大きな動きを見せることはありませんので、新年度といっても当面は投機筋主体の売買になりそうです。
こうした極めて特殊な一週間が、今週ということになりますので、あまり無理せず動きがみえてきてから流れについていくという慎重さも必要になりそうです。
今年は年末から年初すぐにかけてまでの上昇でほとんど一年分を前倒しで稼いでしまったような展開になっていますので、足もとの相場レベルで年度末にさらに稼ぎを上乗せしようと考える投機筋もほとんど存在しなさそうな状況で、今週に関しては多少の調整があるとしても大きくドル円が下落したり、上昇したりすることはあまり想定できないところにあります。
ただ、ユーロドルもユーロ高に動きやすくなっていますので、ユーロ円がつられて上昇すればドル円はドル高にひっぱられる可能性もありそうです。
年度末に111円を跨ぐ動きになるとは思いませんでしたが、それぐらいドル円も上昇を期待されていない存在になってきているといえそうで、年初につけた118.500円超のレベルが実は1年を通じての最高値であった可能性が依然くすぶっている状況です。
ややもすれば当分このレンジ相場は多少の上下変更があっても継続し続けることになるのかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)