ここ数日のドル円は上下のブレがかなり激しくなっており、ドル円をロングで仕込んで115円方向でリカクできた方はラッキーであったと思いますが、中途半端にポジションを残して115円乗せを狙った方々は悉くポジションを切らされるか含み損をかかえて途方にくれているのではないかと思います。
このレンジ相場の状況は必ずしもトランプ政策がもたらしているとは言い切れませんが、決定的な材料不足から確実にレンジ相場入りしていることがうかがえ、かなり取引には注意が必要になってきています。
115円近くからあっという間に113円すれすれまで下落
レンジ相場に方向感がないのはつき物ですが、それにしても経済指標が連日よくても一旦上げたドル円がするする下落し、サポートラインも簡単に下抜けて113円割れに近いところまで下落するというのはさすがにやりすぎで、よほど我慢強く逆張りをするかスキャルピングで対応して長く相場に留まらない限りはこうした上げ下げの激しいレンジ相場では損をするばかりになってしまいます。
決してトレンドが出ているわけではありませんから、同じ方向性で取引が続かないのもこうした相場の特徴であり、相当短い時間足で短期に売買の勝負を挑み、前日の動きにはとらわれないといったかなり割切った売買が必要になりそうです。
ここ数日だけを見ていましても、113円台前半から上伸したドル円は2日で約1,8円近く上昇して同じボリュームを下げるというかなり荒い展開を繰り返しております。
あとからチャートを見てこれに忠実についていけば儲かったことはわかりますが、この短時間におけるセンチメントの変化をチャートだけで読み取るのはかなり難しく、とにかく1回の取引時間をできるだけ短くするような売買を行うことが、こうした方向感のない相場の上下に巻き込まれない方法になってきている印象を持ちます。
ポジションが溜まると反対売買となる状況
このさしたる材料もないままに上げたり下げたりする相場の場合、投資筋も巻き込んでトレンドが出ているわけではありませんから、ポジションがロングなりショートなりに傾きすぎますと結局ロングは自律反落し、ショートには応分の買戻しから「ショートカバー」がでて逆転相場に巻き込まれる状況が連日起こっているといえそうです。
米国市場は連日かなり好調な経済指標の発表があり、NYダウは大きく下落するような目だった動きはまったくありませんが、債券金利の上下には相当シンクロしてドル円が動くようになっており、こちらもNYタイムに関しては常にチェックしておく必要がありそうです。
大量のバニラオプションにも翻弄される状況
ここ数日の動きで気になるのは大量のオプション観測による影響です。
どうやら「114円」、「114.500円」、「115円」などにはかなり大量のオプションが設定されて、本日のNYカットで失効するものも多いようですが、ノックアウトオプションのように一度とおりすぎたらお仕舞いではなく、114円を超えればオプションを見合いにして売ることもできます。
ですから、やり方次第では114円に届かなくても売りで対応し、もし超えてしまった場合にはオプションで114円で買い戻せばいいわけですから、かなりそのオプション設定価格帯を挟んで売買をしかけてきている投機筋が存在していることがうかがわれます。
こうした「バニラオプション」もかなりドル円相場には影響を与えており、何時間もそのレベルを挟んで上下することもありました。オプションをもっていない我々もそうした動きに気付いた場合にはご相伴にあずかることができますので、オプション設定観測がでた場合には、相場の動きに注意してみると意外な利益機会に出くわすことがありそうです。
ドル円は2月28日のトランプ大統領議会証言まではこの調子が続きそうで、あまり一方向に相場が動くとは思わないほうがよさそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)