為替市場は日米首脳会談を意識しているのか東京タイムから全く動く気配がなく事実上の開店休業状態です。
NYタイムは例によってドル円の下攻めがありましたが、金利の上昇過程ではそれなりの「ショートカバー」が進み111.500円を割れるわけでもなければ112円台に戻してもその上をためしに行くわけでもないかったるい相場が継続中です。
ところで2月11日というのはアストロの世界では半影月食と呼ばれる現象が、欧州、アフリカ、南北アメリカだけで見れるそうで、なぜか日本では見られない月食が日本時間の11日朝9時44分ごろに見られるというのです。
ちょうどこの時間帯は日米首脳会談後にフロリダに移動して夕食でも食べながら歓談なのか鋭く円高を突っ込まれているかしている真っ最中ではないかと思われますので、このフロリダからはしっかり確認できそうな状況です。
日本で見られない以上あまり関係ないのではとも思いますが、今回は動かない相場の閑話休題としてこの「アストロアノマリー」について考えて見たいと思います。
地球の影で暗くなる月は米国の影で暗くなる日本を暗示?
2月11日というのはちょうど満月に当たるのですが、それが地球の影のおかげで暗く輝くことになるため半影月食と呼ばれているそうです。
これが物理的な位置関係から日本では見られないというなかなか意味深な状況とるわけですが、過去の半影月食ではドル円が円高に振れ、株価が下落することがかなりの確率で見られているようです。
アストロアノマリーがお好きな方にはたまらないネガティブ要因ということなるわけですが、そもそも満月自体がドル安円高に振れやすいだけに、トランプに想定外の恫喝をかけられて週明けに相場が大きく窓空けしてスタートすることを暗示しているようにも見えます。
日米首脳会談は人為的なものですから、そこまでできすぎた結果になるのかどうかはよく判りませんが、米系の金融機関のトレーダーは案外こうしたアストロアノマリーを気にすると言われていますので、11日に入ったNYタイムで大きく売り込まれてしまうリスクについてはちょっと気にしておいたほうがよさそうな気がしてきます。
日本人投資家から見ますと米国のおかげで日本に暗い影がさしてきそうな状況だけにあまり月食というのは楽しいものではないわけですが、それでさらに円高となるとさらに気分のいい話ではなくなってしまいます。
2016年3回の半影月食では2回が円高方向に
アストロのアノマリーでは何をもってして円高になったというのかがなかなか難しいものですが、終値というよりは場中の価格で円高になったかどうかが気になるところです。
2016年はあまり気にしませんでしたが実は年に3回もこの半影月食がおきています。3月23日の半影月食では残念ながら明確に円高という動きにはなっていませんが、8月18日の片影月食では円高に振れています。2016年ではお盆の周辺の時期でもっとも円高が進んだ時期の一日ということですから少なからず円高方向の相場が動いたことがわかります。
さらに9月17日は日本の深夜にかなり大きな片影月食が実現しましたが、ここでもドル安円高に振れており、昨年だけの結果から見ると3分の2の確率であったことがわかります。
市場は日米首脳会談というよりトランプ政策全般に不安が高まる
本邦勢から見ますと相場の停滞はすべて日米首脳会談待ちから来ているように見えがちですが、どうやらトランプ政権の政策に対する漠然とした不安感が世界的に市場に広がっていることだけは間違いないようで、これが相場の動きを止めている状況のようです。
そもそもアストロのアノマリーとなるとだいたいいいことがほとんど起きない印象が強いわけですが、今回もこれを信用するとなると相場は円高になってしまうのかも知れません。
(この記事を書いた人:今市太郎)