24日のドル円はNYタイムに大きな買戻しが入り、やっと113円台後半に値を戻しています。
しかしこれは特別大きな理由があるわけではなく、売りポジションが溜まりすぎて下がらなくなると自律的に買い戻しが入って相場がもとに戻る動きを繰り返しているにすぎない状況で、ここからまたロングでついていこうとすると上がらなくなったところで投げさせられるという動きになりそうな展開です。
投機筋しか出てこない相場は方向感がでない
ドル円は昨日何回か112.500円を割るトライを行いましたが、結局割ることができず、逆にこのレベルで買いをおいていた準公的機関(GPIF?)と思しき連中が112.500円につかなかったことから買い上げる動きを見せ東京タイムでは113円台に何度か乗せる動きとなりましたが、高値では投機筋に叩かれて再度112円台に落ちる場面も見られました。
どうやら112.500円に置かれている買いのポジションは相当巨大なようで、攻めに言った投機筋の売りポジションが溜まると結局大きく「ショートカバー」がでる形となり、NYタイムにはすっかり113円台後半まで値を戻して取引を終えています。
ここのところドル円は上方向にポジションが溜まりすぎても落とされますし、下方向でも下がらないと大きな「ショートカバー」がでる形で長くポジションをもっていますと、結局どちらかに巻き込まれてまったく儲からないという状態に追い込まれる個人投資家が増えているようで、特に先週はかなり相場でやられた方も多かったようです。
問題は損切りをしない個人投資家が大量に相場に潜んでいること
本邦の個人投資家は売っても買ってもほとんどの人が「ストップロス」を置いて損切りを行わないことで有名な存在ですが,足元の相場ではこうした個人投資家が依然としてドル円のロングを大量に持っており、しかも現状の相場よりも高いレベルで作っているポジションがかなり多いことから、相当な人たちが相場がもとの水準に戻ることをひたすら待ち続けている状況であることが理解できます。
残念ながら国内では個人投資家の総持ち高数を正確に把握することはできませんので、あくまで個別の業者が発表している数字から類推するしかありませんが、相場が戻るとこうした連中がやれやれ売りを大量に始めえることから上昇しなくなってしまい、ここからドル円が再上昇を果たすためにはさらに112.500円を下回るとことまで一旦下落して応分のロングが損切りの憂き目にあうことが必要になりそうです。
ここからまたしてもロングが増えても上昇できない相場となれば、自律的に下落せざるをえない状況が生まれることになると思われますが、ごく近いうちに投機筋が下落をしかけてくることが予想され、まだまだ厳しい相場展開が続きそうです。
トランプ関連のツイートと報道がないと平穏無事な相場
ここのところ連日トランプのツイートや報道で相場は猫の目のように変化する日々が続いていますが、何もこうしたものがでないとかなり平穏無事であり、利益を上げられるかどうかはトランプ頼みの状態になりつつあります。
それにしても毎日のように売りから買いへと方向が変わる相場はかなりリスキーであり、すくなくとも作ったポジションはデイトレの枠組みの中で利益確定をしておきませんと逆に大怪我のもとになりそうです。このあたりもトランプ相場では相当気を使う必要がでてきている状況です。
この時期市場を牽引しているのはドルですからドルストレートでの取引がやはりもっとも安全な方法ということになりそうです。
足元の上下振幅相場は下手をすると2月中盤、米国の予算教書が発表になるまで続く可能性がありますので、とにかくかなり意識して売買していくことが肝要となりそうです。
(この記事を書いた人:今市太郎)