読み込み中...
Photo Reuters.com
とうとう市場が期待しつつ恐れてもいたトランプ新大統領が誕生してしまいました。
就任演説は短めで驚くべきことも言わずに済んだことから、為替のほうはそれほど大きな動きにはならずに済みましたが、それでも演説後は伸び悩み114円台前半まで試しにいき、結局終り値は114.600円レベルとなりました。
大統領就任のご祝儀で買い上がるような動きも期待しましたが、演説がはじまってみると上下にぶれつつも大きく跳ねることは一度もなく、根拠無き期待熱狂相場が完全に終焉していることも改めて確認することができました。
とにかく暴騰暴落がなくて済んだのは一安心ですが、ここから相場が一体どうなるのかはみなさん一様に心配されているのではないでしょうか？まずは来週の動きを考えて見たいと思います。
ここからはトレンド相場からレンジ相場に移行か
今週112円台中盤まで押し込んで115円台へ戻すという、かなり荒い値動きを演じたドル円でしたが、昨年11月からの上昇トレンド相場は完全に終焉する形となったようで、一瞬下方向にトレンドが反転するようにも見えたものの、足元の状況は依然として方向感のない状態で、ここから明確なレンジ相場へと転換することになりそうです。
トレンドからレンジへの移行初期には、かなり上下にぶれる動きが見られますが、今回のドル円も完全にこの状況で上下に平気で3円以上の振幅が見られるようになっています。
NYタイム最後の動きを見ていますと週明けドル円は一旦下方向を再度試しにいきそうな印象がありましたが、113円方向に大きく下げれば底値は買い場として機能しそうな状況です。また116円方向は相当重たそうに見えますので値幅としては下方向に広がる可能性が高そうです。
2月初旬予算教書が出たところで再上昇の機会が到来
現状では、トランプ政権の表面上の政策はほぼ織り込まれている状況であり、ここからドル円が再上昇を果たすためにはより具体的な政策内容が開示されないと市場は動かない気配です。
したがって次の材料が市場に提供されるのはやはり2月初旬に入ってから示される予算教書の内容がキーポイントになってきそうです。
ただし、具体策が提示される中では市場の期待を下回る部分g出る可能性も高く失望売りが出るリスクをもっていることにも注意が必要となります。
「FRB」はとにかく6月ぐらいまでは利上げを行わなさそうな見通しですから、この春先に為替相場が大きく下落することは考えにくい状況ではありますが、かといって再度上昇方向を目指すかどうかはまだ不透明で、下手をすると115円をはさんだレンジ相場に転換する展開も想定する必要がありそうです。
日本がどこまで為替で名指しされるかも大注目
現状では中国の人民元が為替操作の槍玉にあがっていますが、はたして日本円についても具体的な指摘や注文がつくのかどうかも非常に気になるところです。もし仮に円安けしからんとなった場合に、どの水準に押し戻すことが米国にとって適正範囲なのかという点も考えておかなくてはなりません。
ここ4年のドル円相場の高値安値を考えますとちょうど半値にあたるのは100円程度になりますが、そこまでの下落をトランプないしその閣僚が具体的に指値で指摘してくることなるのか、雰囲気として円高方向に押し戻されればそれでとりあえずよしとされるのか今のところ判断がつかない状況といえます。
トランプ政権は強いドルを目指しているとする論調も出回り始めていますが、実際企業収益や株価に影響がではじめると、もっとも大統領として口を挟みやすいのが為替の問題となりますから、2017年のドル円はそれほど青天井の上昇にはならないのではないかと思われます。
ここから4月までのトランプ発言そみているとそのあたりがかなり予見できるようになるのではないでしょうか？
（この記事を書いた人：今市太郎）
