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トランプ大統領就任演説までいよいよ1日ちょっとということになりましたが、昨年末までのいいところ取りの買い上がりムードとは異なり、実際に就任演説で何を持ち出してくるのか計りかねる状況を続いていることから事前段階ではドル円も方向感に乏しい展開が続いています。
恐らく金曜日の東京タイムも今とあまり変わらない待ちの市場になることが予想されます。
単なるセレモニーで終わるのか荒れるのか判断がつかない状態
トランプ自身はかなり歴史的なイベントになると始まる前から自画自賛していますから先般の記者会見のように稚拙な内容にはならないものと思われますが、就任初日から4つないし5つの分野でさっそく大統領令を発令すると息巻いているようです。
「TPP」やメキシコ国境の壁の話以外に為替や特定国を対象とした通商問題がでてくることになると、神経質な相場展開が示現する可能性もありそうで、落ち着いては見られない状況です。
ただそれ以外の折込済みの材料にはほとんど市場も反応しないのではないかと思われますから、意外に静かなスタートで無風のまま終わることもありそうです。いずれにしても金曜日のNYタイムですからポジションも保有しにくく、慌てて取引をしたほうがいいかどうかはよく考える必要がありそうです。
発表内容については土日にメディアなどでの精査が進むことも考えられますから、週明けの相場の評価が結構変化するリスクも考えなければなりません。ただ、現実的にはこまかな政策は2月の予算教書を待つ必要もあり、実際に見てみないとなんともいえないというのが現状の判断となります。
トランプはドル高を嫌気しイエレンは利上げを示唆する相反相場
今週はトランプがドル高をけん制すれば相場が大きく円高方向に下落し、イエレンが利上げを示唆すればいきなり1円以上相場のレベルが引きあがるという要人発言に振り回される相場が継続中ですが、こうした動きがさらに週明けから常態化することについても覚悟が必要になりそうです。
足元ではドル円は一旦113.500円レベルまで下押ししたあと、イエレン発言で114円台に戻していますから、まともに考えれば底打ちをしたようにも考えられますが、何が引き金になって下押しを再開するかはわからないところもありますのでこの式典が完全に終了するまでは気を抜かないほうがよさそうです。
市場の注目は就任式を経てドル円が再上昇になるのかどうか
多くの市場参加者が気にしているのは、この先就任式を経てドル円がまた上昇基調に戻るかどうかです。1月一杯はドル円も円高気味に推移しそうですが、その後は一定の戻りを試すことになるのではないかと期待しています。
ただし、具体的にドル円についてドル高けん制が明確にトランプの口から飛び出せばその時点で上値は抑えられることになりますから、かなり注意が必要になります。
いやなのはツイッターでこうした呟きがでることですが、こればかりは政権が始まってみないとよくわからないところがあります。そもそも敵か見方か、公平か不公平かといったものさししか持たないこの人物が本当にドル円のドル高をどこまで気にしているのかは疑わしいところもあり、むしろ側近が持ち出してくる可能性もありそうです。
すべてが想定外の政権なだけにある程度安定するまではとんでもないことが起きるリスクはかなり高そうですから、しっかりストップロスを入れて無闇に損失を増やさない努力が必要です。
とにかくこの初日の就任式から大きな波乱が起きるとなると、来週以降の相場については相当な注意が必要で、一旦は様子見をすることが賢明になるかも知れません。そのぐらい今回の大統領就任はリスクが満載の状態です。