トランプ次期大統領の記者会見が近づくにつれて、ドル円相場は「
リスクオフ」モードが強くなり、連日上がっては下がるの繰り返しを行うというかなりやりにくい状況が継続中です。
特にさしたる材料もないのにいきなり1円近く下落する相場展開は、よほどしっかりプライスアクションを見続けていないかぎり必ずどこかで相場の反転に引っかかって手痛い損切りをせざるを得なくなりますから、相当注意が必要になります。
こうした激しい動きは東京タイムでもいきなり始まるようになっていますので、どの時間帯が安心して売買できるといったものではなくなっていることがわかります。またNYタイムにここのところ必ず大きく売り込まれるようになっていますので、こうした時間帯は特に注意が必要になります。
10日まずは東京タイムで1円下落
10日の東京タイムは5~10日ということで年明けとしてはかなりまとまった「実需」、とくに輸入税のドル円買いニーズが高くなり「仲値」以降も比較的順調に推移したドル円でしたが、午前11時14分ごろに116.203円をつけたあたりからいきなり売りが強まり、その後昼休みをまたぐ形で1時間半の間に115.204円とちょうど1円幅の下落を無理やりつける状況となりました。
流動性の大きな東京タイムに当時筋がドル円の売りの大玉を持ち込んだのがきっかけではないかと思われますが、その下押しは執拗なものが感じられ、かなり故意にドル円を115円割れに持ち込もうとする輩の動きが感じられました。
しかしこのタイミングでも115円を割ることはできず、ロンドンタイムはショートカバーがでて午後10時15分に116.339円まで値を戻す展開となりました。
ニューヨーク勢が再度下押し
さすがに二日連続では大きく下押しはしないのかと思ったのもつかの間で、NYタイムに入ってからはまたしてもドル円は下値を追いかける展開となり、米国の10年債利回りの下落も手伝って「London Fix」後の午前1時17分に115.278円までつけることとなりましたが、ここからはそれ以上下げきれず、再度「ショートカバー」で午前2時半に116.060円まで戻し結局115.700円レベルでNYタイムを終えることになりました。
高値と底値で逆張りを繰り返してじっと我慢していればなんと1日で4円以上の利益にありつくことができるわけですから、いかにボラティリティの高い相場であるかがわかります。
スキャルピングにしてもどちらの方向に動くのかがはっきりわからないだけになかなかやりづらい相場が続いており、買いや売りと決めうちをすると頻繁に損きりばかりに見舞われる相場状況になってきています。
当分この乱高下相場は続きそうな気配
この激しい上下動の動きは11日(日本時間では12日午前1時)から開催されるトランプ次期大統領の記者会見を睨んだものだとされていますが、今後トランプが大統領になれば毎日がリスク満載の日々になるわけですから、当面は同様の動きが継続していきそうな気配濃厚です。
現状では変則的な形ではあるものの118円60銭レベルでのダブルトップが依然機能していることから、ネックラインとなる115円70銭レベルを下抜けると113円台への下落リスクが点灯しこれを上抜けると上伸の可能性がでるという相場の繰り返しを行っているように見えます。
一体この落ち着きのない相場がいつ解消されトレンドがでることになるのか非常に気になるところですが、トランプ政権の政策の方向感がしっかり見えてくるまでは一喜一憂の相場が続きそうな嫌な予感がしてきます。
とにかく安易にポジションをとって踏みや投げに巻き込まれないようにすることが重要です。
個人投資家はもとより、プロの「インターバンク」も今週は結構大怪我をしているのではないかと思われる相場展開が続きます。くれぐれも巻き込まれて証拠金だけを無闇に減らしてしまう悲しいトレードにならないようにお気をつけいただきたいと思います。