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3日は欧米勢がほぼそろい踏みでやっと本格的な年明け相場が始まりました。
ロンドンタイムから買いあがっていたドル円は久々に118円台を示現させ、NYタイム午前0時に発表された全米の製造業景況指数が予想を上回ったのを好感して118.59円という昨年12月15日以来の高値をつけましたが、「London Fix」に向けて大きく下落をはじめ117.200円台まで軽々と1.3円以上の下押しを示現することとなりました。
相場では特別な材料はないと言われていたのですが、よくよくあとになって材料を探してみるとトランプ次期大統領が放ったツイッターの呟きがどうも市場では嫌気されたようで株も同様に一時的に下落することとなってしまいました。
トランプのツイッターは危ない大量破壊兵器
来週11日にはいよいよ記者会見も行うようですが、トランプは今後もツイッターを積極利用して政策の考えをつまびらかにしていくようです。
そんな中でGMがメキシコ製のクルマを無税で導入するのはおかしい。もっと大きな税金を支払えと呟いた内容やフォードがトランプの意向にしたがってメキシコでの生産計画を白紙撤回したなどという呟きがでたとたんに市場はリスクオフの動きを明確にすることとなったわけです。
なにしろ1850万人もフォロワーがいるわけですから、その伝達威力は絶大であり、これからはトランプのツイートでいきなり市場が動きだすことも想定しておかなくてはならない時代がやってきていることを痛感させられます。
もちろんこれまでもオバマはツイッターを積極利用してきましたが、記者会見や声明を出すまえにいきなりツイートをはじめるというのはトランプが最初の大統領になりそうで、実際にトランプ内閣がスタートすることになればかなり金融相場は彼のつぶやきに振り回されることになりそうです。
非常に困るのは、メディアがリアルタイムで報道することがないことから、これまでのようにロイターやダウのヘッドラインさえ見ていれば数分のタイムラグで相場の動いた理由がわかるということがない点です。
これまでの政権とは悉くやり方の違う政権が誕生しそうですが、相場に与える影響もどうやらこれまでにはないものとなりそうで、ますます個人投資家はストップロスをしっかり置いて対応しないととんでもない損失を被ることになりかねません。
さすがにトランプのツイートをみながら売買するわけには行きませんが、一応リスク対応のためにフォローだけはしておいたほうがよさそうな状況になりつつあります。
実際問題その呟きの中身はどのぐらい政権内で事前に確認されたものなのかはわかりませんし、単なる思い付きなのかどうかもはっきりはしませんが、たとえば米国の雇用統計のような重要指標発表と重なってツイートが行われれば、市場が認識していないことで相場が乱高下することは間違いなく、結構恐ろしい存在になってしまいそうです。
昨晩も製造業景況指数を受けて118.600円弱まで上昇していますから利益確定を即座におこなったトレーダーは命拾いしたはずですが、買い下がった向きは完全に損切りをさせららたはずで、トランプ相場再開などという市場の見方にのって正月から大損をした方も少なくなかったのではないでしょうか？
クリスマス前までの相場とかなり印象が異なるのは、あっという間に上昇して下落するというボラティリティの大きさで、まだ短期の投機筋しか市場に参加していないため買い上げても売りがでるといきなり下がり始めるというリスクがあることです。
ここから118.600円を簡単に越せずにいますと相場は再度下値を試すことも考えられ、かなり慎重な売買を求められそうな年明けです。とくに高値に順張りでついていくのは相当よくみきわめてからがよさそうです。
（この記事を書いた人：今市太郎）
