年間3回の米国の利上げには到底耐え切れない状況
今年の場合、たった1回の米国の0.25%利上げだけで利上げから2ヵ月後の2月、新興国経済に大きな打撃が与えられたわけですから、ここからさらに3回の利上げを想定した場合には、新興国の相場は到底我慢しきれずに大きな影響がでることが予想されます。
すでにトルコリラ、南アランド、豪ドルには影響が示現
あまり大きな騒ぎにはなっていませんが、ドルの大幅上昇の影ですでにトルコリラ、南アランド、豪ドルなどには少なからぬ影響がではじめていますし、中国人民元がさらに下落せざるを得ない状況も間近かに迫っています。
米国の利上げはドル高円安とは限らない
来年のドル円の予想をした場合、米国の利上げペースを考えれば明らかに日米の金利差がさらに拡大することから明らかにドル円は上昇しそうなところにありますが、クロス円が全般に下落するようなことになれば、ドル円の上昇もそれなりに阻まれることとなり、来年の春先に向けては一方的にドル高円安にはならないシナリオも用意されていることを意識しておかなくてはなりません。
根拠なき浮かれ相場は冷めると結構下げる可能性も
この年末に関してはM&Aをはじめとして実需のフローがそれなりに出ていることから、ドル円の上昇を大きく支えていますが、ここまで買い上げてきた投機筋の反対売買が一斉に出揃えば意外に早く相場が逆戻りすることも考えられ、トランプ政権のスタートも絡んで、2月から3月に向けて想像以上に大きな調整が入るリスクを考えておく必要がありそうです。